免疫力を高める食事とは?中高生アスリートが意識したい栄養と食べ物

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大事な練習や試合を、風邪や体調不良で休みたくないですよね。
体調管理には、睡眠や疲労、ストレスなどさまざまな要因が関係しますが、毎日の食事も大切なポイントです。

「風邪にはビタミンC」「ヨーグルトは免疫にいい」など、よく聞く食べ物や栄養素は、本当にアスリートの体調管理に役立つのでしょうか?

この記事を読めば、免疫機能を支える食事の基本と、ビタミンC・ビタミンD・乳酸菌などについて理解できます!
管理栄養士・スポーツ栄養プランナーが分かりやすく解説します。

アスリートの体調管理で大切なこと

体調を崩す原因は一つではありません。
アスリートの体調には、栄養状態だけでなく、トレーニング負荷や睡眠、疲労、ストレス、周囲の感染状況など、さまざまな要因が関係します。

そのため、食事だけに気をつけるのではなく、睡眠や休養なども含めてコンディションを整えることが大切です。

この記事では、そのなかでも食事に焦点を当て、アスリートが意識したい栄養や食べ物について詳しく見ていきます。

免疫機能を支える食事の基本

「免疫力を高める食事」と聞くと、ビタミンCやヨーグルトなど、特定の食品を思い浮かべるかもしれません。
しかし、免疫機能にはさまざまな栄養素が関わっています。

まずは、普段の食事で必要なエネルギーや栄養素を十分にとれているか確認してみましょう。

必要なエネルギーをしっかりとる

中高生アスリートは、日常生活だけでなく、成長や運動にもエネルギーを使います。

練習量が多いにもかかわらず食事量が少ない状態が続けば、体が必要とするエネルギーを十分に確保できません。

特に、

・朝食を抜くことが多い
・体重を気にして食事量を減らしている
・練習量に対して食事量が少ない
・疲れて夕食を十分に食べられない

といった場合は、普段の食事量を一度振り返ってみましょう。

基本となるのは1日3食です。
主食・主菜・副菜を組み合わせ、必要なエネルギーと栄養素を確保しましょう。

また、練習による負荷に対して食事や睡眠、休養による回復が追いつかない状態が続くと、疲労やパフォーマンス低下につながることがあります。

オーバートレーニングや回復について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:頑張りすぎが逆効果?オーバートレーニングの症状・原因・回復・予防を管理栄養士が解説

主食を抜かず、炭水化物をとる

ごはんやパン、麺類などに含まれる炭水化物は、運動時の重要なエネルギー源です。
「アスリートだからたんぱく質をとらないと」と肉や魚ばかり意識して、ごはんなどの主食が少なくなっていないでしょうか。

練習量が多いアスリートほど、運動量に見合ったエネルギーを確保する必要があります。
毎食の主食を基本にし、食事と練習の間隔が長い場合などは、おにぎりやパン、バナナなどを補食として活用するのも一つの方法です。

補食の必要性やタイミング、選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

▶ 関連記事:スポーツ選手の補食おすすめ|必要性・タイミング・量を管理栄養士が解説

さまざまな食品から栄養素をとる

免疫機能には、たんぱく質をはじめ、さまざまなビタミンやミネラルが関わっています。
そのため、一つの栄養素に偏らず、さまざまな食品を組み合わせることが大切です。

肉、魚、卵、大豆製品などの主菜に加えて、野菜、果物、乳製品なども普段の食事に取り入れましょう。

「免疫にいい」といわれる食べ物や栄養素、本当にいい?

「風邪にはビタミンC」
「ヨーグルトを食べると免疫にいい」

一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

こうした栄養素や食品については、実際に免疫機能や上気道症状との関係を調べた研究もあります。
よく聞く栄養素や食品について、実際のところを見ていきましょう。

ビタミンC・ビタミンD・乳酸菌など、免疫機能や体調管理に関わる栄養素と食品を紹介する図解

風邪といえばビタミンC!実際どうなの?

ビタミンCは、免疫機能に関わる栄養素の一つです。

ビタミンCをとれば誰でも風邪を予防できるわけではなく、風邪をひいてから摂取しても、症状の期間や重症度を改善する一貫した効果は確認されていません。

一方で、アスリートにとって注目したい研究結果もあります。
マラソンランナーやスキーヤーなど、短期間に身体へ強い負荷がかかる人を対象とした研究では、ビタミンCを継続的に摂取していた人で、風邪の発症が少なかったことが報告されています。

つまり、ビタミンCをとれば誰でも風邪を防げるわけではありませんが、強い運動負荷がかかる人では、一般的な集団とは異なる結果が示された研究もあるということです。

ビタミンCは、

・キウイフルーツ
・いちご
・みかんなどの果物
・パプリカ
・ブロッコリー
・じゃがいも

などに含まれています。

風邪をひきそうになってから慌ててとるのではなく、果物や野菜などから普段の食事に取り入れておくとよいでしょう。

ビタミンDも免疫機能に関係している

ビタミンDというと「骨の健康に必要な栄養素」というイメージが強いかもしれませんが、実は免疫機能にも関わっています。

アスリートにとって注目したいのが、ビタミンDの不足と体調との関係です。
アスリートでは、ビタミンDが不足している人ほど、上気道症状(のどの痛みや鼻水など)が多かったことが報告されています。

ビタミンDは、
・鮭
・いわし
・さんま
・さば
・卵
・きのこ類
などに含まれています。

また、ビタミンDは食事からとるだけでなく、日光を浴びることで皮膚でもつくられる特徴があります。
普段の食事に魚や卵、きのこ類なども取り入れてみましょう。

ヨーグルトや乳酸菌は体調管理に役立つ?

「免疫のためにヨーグルトを食べている」という人もいるでしょう。
乳酸菌などのプロバイオティクスについては、アスリートを対象とした研究も行われています。

複数の研究をまとめた分析では、プロバイオティクスを摂取したアスリートで、風邪のような症状が軽かったことが報告されています。

一方で、体調を崩した日数や、症状が出た回数・続いた期間には、明確な効果は確認されませんでした。

また、研究によって使われている乳酸菌などの種類や摂取量、摂取期間が異なるため、どのようにとるのが最もよいかは、まだ十分に分かっていません。

そのため、「乳酸菌をとれば風邪を予防できる」「どのヨーグルトでも同じ効果が期待できる」と考えるのは避けたほうがよいでしょう。

ヨーグルトは、乳酸菌に加えて、アスリートに必要なたんぱく質やカルシウムもとれる食品です。
普段の食事に取り入れる食品の一つとして、上手に活用してみましょう。

今日からできる!体調管理を支える食事のポイント

ここまで紹介した栄養素も、普段の食事の組み合わせを少し意識することで取り入れられます。
まずは、いつもの食事を振り返ってみましょう。

たとえば朝食が「パンだけ」になっているなら、

パン+卵+ヨーグルト+果物

のように組み合わせることで、炭水化物だけでなく、たんぱく質やビタミン、ミネラルもとりやすくなります。

夕食なら、

ごはん+魚や肉のおかず+野菜のおかず+汁物

など、主食・主菜・副菜を基本にすると、さまざまな食品を取り入れやすくなります。

「免疫力を高める食べ物は何だろう?」と一つの食品を探す前に、

・食事量は足りているか
・主食を抜いていないか
・肉・魚・卵・大豆製品などをとれているか
・野菜や果物を食べているか
・乳製品なども取り入れているか

と、普段の食事全体を確認してみましょう。

中高生アスリートの体調管理を支える食事のポイントを5項目で紹介する図解

食事だけでなく睡眠や休養も忘れずに

大事な練習や試合に向けた体調管理は、食事だけではありません。
睡眠不足や疲労、ストレス、トレーニング負荷なども体調に関係します。

特に中高生は、学校生活や部活動、塾、試験などが重なり、睡眠時間が短くなることもあります。

食事には気をつけているのに体調を崩すことが多い場合は、睡眠時間や疲労の蓄積、練習量なども一緒に振り返ってみましょう。

アスリートの睡眠時間や、睡眠を支える食事について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:寝ることもトレーニング!アスリートの睡眠時間と質を高める食事のポイント

食べる・寝る・休む。

毎日の生活全体を整えることが、大事な練習や試合に向けたコンディショニングにつながります。

よくある質問

免疫力を高めるためにサプリメントは必要ですか?

サプリメントは、食事だけでは不足する栄養素を補う目的などで活用されることがあります。
ただし、「免疫力を高めたいから」と特定の栄養素を自己判断で多くとればよいわけではありません。

まずは普段の食事を振り返り、必要なエネルギーや栄養素をとれているか、不足しているものがないかを確認することが大切です。

試合前に体調を崩さないためには、何日前から食事に気をつければいいですか?

体調管理は「試合の○日前から」と考えるのではなく、普段から食事・睡眠・休養を整えておくことが大切です。
一方、試合前日や当日の食事には、普段とは少し違ったポイントもあります。

試合前日の食事について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:陸上の大会前日は何を食べる?中高生・長距離選手の前日・当日の食事

朝が早い大会の朝食については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ 関連記事:大会が朝早い!試合当日の朝ごはんは何時に何を食べる?中高生アスリートの早朝対策

まとめ|毎日の食事から体調を整えよう

大事な練習や試合に向けて体調を整えるためには、一つの「免疫力を高める食べ物」に頼るのではなく、毎日の食事を整えることが基本です。

ビタミンCやビタミンD、乳酸菌など、アスリートの体調管理との関係が研究されている栄養素や食品もあります。
しかし、まず大切なのは、必要なエネルギーや栄養素を毎日の食事からしっかりとることです。

まずは今日の食事から、主食・主菜・副菜がそろっているか、果物や乳製品なども取り入れられているかチェックしてみましょう。

毎日の「食べる・寝る・休む」を大切にして、元気に練習や試合に臨める体をつくっていきましょう!

参考文献

International Olympic Committee (IOC) consensus statement on acute respiratory illness in athletes part 1: acute respiratory infections
発行元:British Journal of Sports Medicine
著者:Schwellnus M, Adami PE, Bougault V, et al.
https://bjsm.bmj.com/content/56/19/1066

Nutrition and Athlete Immune Health: New Perspectives on an Old Paradigm
発行元:Sports Medicine
著者:Walsh NP
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31691927/

Vitamin C for preventing and treating the common cold
発行元:Cochrane Database of Systematic Reviews
著者:Hemilä H, Chalker E
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD000980.pub4/full

IOC consensus statement: dietary supplements and the high-performance athlete
発行元:British Journal of Sports Medicine
著者:Maughan RJ, Burke LM, Dvorak J, et al.
https://bjsm.bmj.com/content/52/7/439

Probiotic Supplementation and Respiratory Infection and Immune Function in Athletes: Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials
発行元:Journal of Athletic Training
著者:Łagowska K, Bajerska J
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33481001/

執筆者:丸井 遥

管理栄養士、スポーツ栄養プランナー、オンラインフードクリエイター。

病院・介護施設で栄養指導や栄養管理を経験。現在はフリーランスとして、スポーツ栄養教材の制作やダイエット栄養相談、記事執筆などを行っている。

また、栄養や子育てに役立つ情報をnoteでも発信中。
専門的な内容を、わかりやすく実践しやすい形で伝えることを大切にしている。

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