陸上の大会前日は何を食べる?中高生・長距離選手の前日・当日の食事

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「大会前日の夕食、何を食べればいい?」
「長距離だから、ご飯を多めにしたほうがいい?」
「試合前だし、かつ丼でゲン担ぎしようかな!」

陸上の大会や駅伝を翌日に控えると、いつもの食事でいいのか、特別なメニューにしたほうがいいのか迷いますよね。

この記事を読めば、陸上・長距離の大会前日に何を食べればよいか、当日の朝食や補食まで分かります!
管理栄養士・スポーツ栄養プランナーが分かりやすく解説します。

結論からいうと、大会前日は特別な「勝負メシ」を用意する必要はありません。
食べ慣れた食事を基本に、主食から糖質をしっかり摂り、脂っこい料理や食中毒リスクのある食品を避けることがポイントです。

陸上の大会前日の食事は「糖質」をしっかり摂ろう

大会前日にまず意識したいのが、走るためのエネルギー源となる糖質です。

糖質は体内でグリコーゲンとして蓄えられ、運動するときの重要なエネルギー源になります。
特に長距離では、十分なエネルギーを確保して大会に臨むことが大切です。

だからといって、前日だけ普段の何倍ものご飯を食べる必要はありません。
大会前日に急に食事量を増やすと、胃腸に負担がかかる選手もいます。

「普段の食事をベースに、主食を抜かず十分に食べる」ことから意識してみましょう。

大会前日の食事は何を食べる?

大会前日の食事では、普段の食事を基本にしながら、翌日の競技に向けて調整します。

ご飯・パン・麺などの主食をしっかり

ご飯、パン、うどんなどの主食には糖質が多く含まれています。
大会前日は、おかずだけでお腹いっぱいになって主食が少なくならないようにしましょう。

特に普段から主食が少なめの選手は、おかずを増やすよりも、ご飯やパン、麺などの主食をしっかり食べて、糖質を補給しましょう。

主菜は脂っこくない料理を選ぶ

肉・魚・卵・大豆製品などを使った主菜も取り入れます。
ただし、大会前日は揚げ物など脂質の多い料理より、焼く・煮る・蒸すなどの調理法を選ぶとよいでしょう。

たとえば、唐揚げを鶏肉の照り焼きにするなど、普段の献立を少し変えるだけでも構いません。

野菜は食べ過ぎに注意する

野菜には、ビタミンやミネラルだけでなく食物繊維も含まれています。
普段どおり食べる分には問題ありませんが、大会前だからと「栄養をしっかり摂ろう」と、野菜やきのこ、海藻などを普段以上にたくさん食べる必要はありません。

食物繊維の多い食品を一度にたくさん食べると、人によってはお腹が張ったり、便意につながったりすることがあります。
特に大会前にお腹の調子を崩しやすい選手は、普段から食べ慣れている種類・量を基本にして、食物繊維を摂りすぎないよう調整しましょう。

陸上の大会前日の食事で意識したい3つのポイント。主食をしっかり食べ、脂っこい料理を控え、食べ慣れたものを選ぶ。

【献立例】中高生の大会前日の夕食

「ポイントは分かったけれど、結局何を作ればいい?」
そんなときは、次のような献立を参考にしてみてください。

和食メニュー

  • ご飯
  • 鶏肉の照り焼き
  • 加熱した野菜のおかず
  • 豆腐と野菜のみそ汁
  • 果物

魚を使ったメニュー

  • ご飯
  • 白身魚の焼き物
  • かぼちゃの煮物
  • 野菜入りの汁物
  • 果物

麺を使ったメニュー

  • 鶏肉や卵、野菜を入れたうどん
  • おにぎり
  • 果物

うどんだけでは、たんぱく質源となる食品や野菜などが不足しやすいため、卵や肉、野菜などを組み合わせましょう。
食事量が必要な選手は、おにぎりなどを追加して糖質を補う方法もあります。

いつもの夕食を大会前向けに変えるなら?

普段の夕食も、脂質を控えめにしたり、主食をしっかり食べられる組み合わせに変えたりするだけで十分です。

いつもの夕食大会前の工夫
唐揚げ鶏肉の照り焼き・蒸し鶏
とんかつ豚肉の生姜焼きなど
刺身焼き魚・煮魚
主食が少ないご飯・うどんなどを十分に
野菜を普段以上に大量に食べる食べ慣れた種類・量を基本にする

大切なのは、豪華な「勝負メシ」を作ることではありません。
明日走るためのエネルギーを確保しながら、胃腸や体調に負担をかけにくい食事に整えると考えてみましょう。

陸上の大会前日の夕食例。ご飯、鶏肉の照り焼き、野菜のおひたし、豆腐と野菜のみそ汁、果物を組み合わせた献立。

大会前日に避けたい食事

大会前日は「何を食べるか」と同じくらい、当日に体調を崩さないことも大切です。

揚げ物など脂質の多い料理

とんかつ、唐揚げ、天ぷらなどの揚げ物や脂質の多い料理は、大会前日にたくさん食べるのは控えましょう。
「試合に勝つからカツ!」とゲン担ぎをしたくなることもありますが、大会前日は食べやすさを優先するのがおすすめです。

食べ慣れていないもの

「スタミナがつく」「試合前におすすめ」などと聞いた食品でも、普段食べ慣れていないものを大会前日に初めて試すのは避けましょう。
大会前は緊張によって、便秘や下痢などの胃腸症状が起こる場合もあります。

普段は食べない料理や食品を試すより、これまで食べて問題がなかったものを基本にしましょう。
大会で取り入れたい食品がある場合は、普段の練習日などに一度試して、自分のお腹に合うか確認しておくと安心です。

生もの・加熱が不十分なもの

大会前は食中毒にも注意が必要です。
刺身などの生もの、生卵、生焼けの肉などは避け、調理してから時間が経った料理や保存状態の悪い食品にも注意しましょう。

腹痛や下痢などでコンディションを崩さないためにも、栄養だけでなく食品の安全性まで含めて準備することが大切です。

大会当日の朝ごはんはどうする?

大会当日の朝食も、ご飯・パン・うどんなどの主食を中心に、食べ慣れたものを選びましょう。
ただし、食べる量やタイミングは競技開始までの時間によって変わります。

大会当日の朝は、集合時間が早いと食欲がわかないこともあります。
そんなときは朝食ですべてを食べようとせず、会場までの移動や競技開始までの時間を利用して補う方法もあります。

朝早い大会の朝食について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:大会が朝早い!朝ごはんは何時に何を食べる?早朝集合の中高生アスリートの食事

大会や遠征に持っていきやすい補食を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
▶ 関連記事:【保存版】合宿の持ち物完全ガイド|補食・常温OK食品・準備リスト

長距離・駅伝ではスタートまでの補食も準備しよう

駅伝や長距離の大会では、朝早く集合しても、実際に走るのは数時間後ということがあります。
朝食からスタートまで長く空く場合は、補食も準備しておきましょう。

候補になるのは、おにぎり・パン・バナナ・エネルギーゼリーなど、糖質を補給しやすく、本人が食べ慣れているものです。
補食も大会当日に初めて試すのではなく、普段の練習や記録会などで食べた経験のあるものを選びましょう。

緊張して食べられないときは?

「大会の日になると緊張して食欲がなくなる」という選手もいます。
その場合、無理に一度にたくさん食べる必要はありません。
まず食べられるものを摂り、競技開始まで時間があるなら、移動中や会場到着後などに分けて補う方法もあります。

試合前の補食について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:スポーツ選手の補食おすすめガイド|必要性・タイミング・量を管理栄養士が解説

中高生の長距離選手は大会前だからと食事を減らさない

長距離選手のなかには、
「少しでも体が軽いほうが速く走れそう」
「大会前に体重を増やしたくない」
と考える選手もいるかもしれません。

しかし、走るためにはエネルギーが必要です。
さらに中学生・高校生は、競技だけでなく成長・発達にもエネルギーや栄養素が必要な時期です。

必要なエネルギーを十分に摂れない状態が続く「利用可能エネルギー不足(LEA)」は、健康や競技パフォーマンスに影響する可能性があります。

大会前は「できるだけ体を軽くする」ことより、走るために必要なエネルギーを確保してスタートラインに立つことを大切にしましょう。

まとめ|大会前日は「食べ慣れた食事+主食」を基本に

陸上・長距離の大会前日は、特別な勝負メシを用意する必要はありません。

前日の夜は、次のポイントを確認してみましょう。

  • ご飯・パン・うどんなどの主食を十分に食べた
  • 揚げ物など脂質の多い料理を控えた
  • 食べ慣れたメニューを選んだ
  • 生ものなどを避け、食中毒リスクにも注意した
  • 当日の朝食を準備した
  • 会場へ持っていく補食を準備した

中高生の長距離選手にとって、大会前日の食事もコンディションを整えるための大切な準備のひとつです。
必要なエネルギーをしっかり補給して、当日に備えましょう。

前日はしっかり食べて、しっかり休む。明日の大会で力を発揮できるよう、準備しておきましょう!

参考文献

アスリートのためのトータルコンディショニングガイドライン
発行元:独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Portals/0/resources/hpsc/TCRP/handbook.pdf

成長期女性アスリート 指導者のためのハンドブック
発行元:独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Portals/0/resources/jiss/column/woman/seichoki_handobook_8.pdf

アスリートの食事の基本
発行元:独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Default.aspx?TabId=1478

炭水化物
発行元:独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/Default.aspx?TabId=1481

Optimizing Performance Nutrition for Adolescent Athletes: A Review of Dietary Needs, Risks, and Practical Strategies
発行元:Nutrients
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40944181/

執筆者:丸井 遥

管理栄養士、スポーツ栄養プランナー、オンラインフードクリエイター。

病院・介護施設で栄養指導や栄養管理を経験。現在はフリーランスとして、スポーツ栄養教材の制作やダイエット栄養相談、記事執筆などを行っている。

また、栄養や子育てに役立つ情報をnoteでも発信中。
専門的な内容を、わかりやすく実践しやすい形で伝えることを大切にしている。

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