
部活やクラブチームでスポーツをしていると、「たんぱく質は1日に何g必要?」「普段の食事で足りているのかな?」と気になることもあるでしょう。
たんぱく質は筋肉や骨など、体をつくるために必要な栄養素です。
特に成長期の学生アスリートは、体の成長に加えて、日々の練習やトレーニングも考慮する必要があります。
この記事を読めば、学生アスリートに必要なたんぱく質摂取量の目安や計算方法、食事・補食でのとり方が分かるようになります!
管理栄養士・スポーツ栄養プランナーが分かりやすく解説します。
Contents
アスリートに必要なたんぱく質摂取量は?
アスリートに必要なたんぱく質の量は、年齢や体重、競技、トレーニング量などによって異なります。
まずは、一般の中高生の推奨量と、成長期アスリートの摂取目安を確認してみましょう。
一般の中高生のたんぱく質推奨量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、12〜17歳のたんぱく質推奨量が次のように設定されています。
| 年齢 | 男子 | 女子 |
|---|---|---|
| 12〜14歳 | 60g/日 | 55g/日 |
| 15〜17歳 | 65g/日 | 55g/日 |
これらはスポーツをしていない中高生だけの基準ではなく、年齢・性別に応じた一般的な推奨量です。
一方、日常的に強度の高い練習を行う中高生アスリートでは、体の成長に加えて、運動によるたんぱく質の利用も考慮する必要があります。
成長期アスリートはまず1日約1.5g/kgを目安に
若年アスリートに関する栄養学のレビューでは、1日に必要なエネルギーを十分に摂取できている場合、体重1kg当たり1日約1.5gのたんぱく質が目安として示されています。
この数値には、体の成長に必要な分と、運動によるたんぱく質の利用が考慮されています。
一方、国際スポーツ栄養学会(ISSN)では、健康で運動を行う人の多くに対して、1日1.4〜2.0g/kgが目安として示されています。
ただし、この推奨は主に成人を対象とした研究に基づくものです。
成長期アスリートにおける1.5g/kgは摂取量の上限ではなく、全員に共通する必要量でもありません。
年齢や競技、練習量などによって必要量は異なるため、まず約1.5g/kgを出発点として考えてみましょう。
また、食事全体のエネルギーが不足すると、たんぱく質の一部がエネルギー源として利用されます。
まずは1日に必要なエネルギーを十分に確保しましょう。
体重別のたんぱく質摂取量と計算方法
アスリートに必要なたんぱく質量は、自分の体重から計算できます。
体重から1日の摂取量を計算する
計算式は次のとおりです。
1日のたんぱく質摂取目安(g)=体重(kg)×1.5(g/kg/日)
例えば、体重50kgの場合、
50×1.5=75g/日
となります。
つまり、体重50kgの成長期アスリートなら、1日約75gが摂取目安の一つです。
体重別のたんぱく質摂取量早見表
自分の体重に近い数値を参考にしてみましょう。
例えば、体重50kgで75gを目安にする場合、朝食・昼食・夕食に分け、必要に応じて補食も取り入れることで、1日の摂取目安に近づけられます。

※この表は、成長期アスリートの摂取目安の一つである1.5g/kg/日を使った計算例です。必要量には個人差があり、1.5g/kgを超えて摂取してはいけないという意味ではありません。
1日に必要なたんぱく質を食事でとるには?

1日に必要なたんぱく質量が分かっても、「実際に何をどのくらい食べればいいの?」と迷う方もいるでしょう。
たんぱく質は肉や魚、卵、大豆製品だけでなく、ご飯やパン、野菜などにも含まれています。
そのため、主菜(メイン料理)だけで必要量を満たそうとするのではなく、朝食・昼食・夕食・補食を合わせて、1日の食事全体で考えることが大切です。
また、たんぱく質を十分に摂取していても、エネルギーが不足すると、たんぱく質がエネルギー源として使われる割合が増えることがあります。
成長期のアスリートは、たんぱく質だけでなく、必要なエネルギーを十分に確保することも意識しましょう。
体重50kg・1日75gを目安にした食事例
体重50kgの中学生アスリートを想定した、1日の食事例を紹介します。
1日のたんぱく質摂取目安は約75gです。

この食事例では、1日約92gのたんぱく質を摂取できます。
そのうち、肉・魚・卵・牛乳・大豆製品など、主なたんぱく質源から摂取する量は約6割です。
残りの約4割は、ご飯やパン、副菜などを含む、そのほかの食品から摂取している計算になります。
例えば、ご飯300gには約7.5g、食パン6枚切り2枚には約10.7gのたんぱく質が含まれています。
成長期のアスリートは、体の成長や運動に必要なエネルギーを十分に確保することが大切です。
そのため、主食や副菜なども組み合わせて食べると、たんぱく質の摂取量が目安を上回ることもあります。
75gは摂取量の上限ではなく、必ずしもぴったりに合わせる必要はありません。
また、たんぱく質を多く摂るほどたくさん筋肉がつくわけでもありません。
肉や魚だけをたくさん食べようとするのではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせ、食事全体で必要な栄養を確保しましょう。
※数値・割合はモデル献立に基づく概算です。学校給食の食品別使用量には推定値を含みます。
学校給食の献立表には、エネルギーやたんぱく質の量が記載されている場合があります。
学校給食の献立表で、たんぱく質量を確認してみましょう。
給食の栄養価は、主食・主菜・副菜・汁物・牛乳などを合わせた値です。
普段の昼食でどのくらい摂取しているかを知る手がかりになります。
自分が食べる食品のたんぱく質量を調べるには?
食品に含まれるたんぱく質量は、文部科学省の「食品成分データベース」で確認できます。
▶ 文部科学省 食品成分データベース
食品名を検索すると、食品100g当たりのエネルギーやたんぱく質量などを調べられます。
実際に食べた量に換算するときは、次の式を使います。
食品100g当たりのたんぱく質量(g)× 食べた量(g)÷ 100
例えば、100g当たり20gのたんぱく質を含む食品を150g食べた場合は、
20g × 150 ÷ 100 = 30g
となり、たんぱく質を30g摂取した計算になります。
なお、同じ食品でも種類や部位、調理方法によって栄養価が異なる場合があります。
食品成分データベースを使うときは、生・焼き・ゆでなどの調理状態にも注目してみましょう。
また、食事管理アプリやインターネット上の栄養計算ツールを使えば、食べた食品や量を入力するだけで、たんぱく質の摂取量を手軽に計算できます。
ただし、計算結果はあくまで目安です。
食品の種類や調理方法、入力した量によって実際の栄養価と異なる場合があります。
まずは普段の食事で、どのくらいたんぱく質を摂取しているのか確認してみましょう。
部活後に手軽にたんぱく質をとるには?
部活やクラブチームの練習後は、筋肉の修復や成長を支えるために、たんぱく質を補給したいタイミングです。
特に帰宅が遅くなる場合は、夕食までの時間に合わせて補食を活用しましょう。
運動後のたんぱく質は何時間以内に摂るといい?
運動後は、できれば2時間以内を目安に、たんぱく質を含む食事や補食をとるとよいでしょう。
運動後にたんぱく質を摂取すると、筋肉のたんぱく質をつくる働き(筋たんぱく質合成)が促されます。
この働きは、運動後の筋肉の修復や成長に関わっています。
ただし、2時間を過ぎたら効果がなくなるわけではありません。
長期的な筋肉づくりには、1日の総摂取量も重要です。
また、練習前に何をいつ食べたかによっても、運動後の栄養補給の必要性は変わります。
夕食まで時間が空く場合の補食例
練習後すぐに夕食を食べられない場合は、たんぱく質と炭水化物を組み合わせた補食がおすすめです。
| 補食の組み合わせの一例 | たんぱく質量の目安 |
|---|---|
| おにぎり100g+無調整豆乳200mL | 約10g |
| おにぎり100g+牛乳200mL | 約9g |
| おにぎり100g+ゆで卵1個 | 約9g |
| 卵サンドイッチ(食パン合計100g+卵1個) | 約15g |
| バナナ1本+ギリシャヨーグルト100g | 商品によって異なる |
※たんぱく質量は概算です。食品の種類や量、商品によって異なります。市販品は栄養成分表示を確認してください。
例えば、学校からクラブチームの練習へ参加し、帰宅が夜遅くなる場合は、おにぎりやサンドイッチ、牛乳、豆乳などを組み合わせることで、炭水化物とたんぱく質を補給できます。
なお、牛乳やヨーグルト、卵サンドイッチなどを持ち運ぶ際は、温度管理にも注意してください。
持ち運びやすい補食や保存方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:【保存版】合宿の持ち物完全ガイド|補食・常温OK食品・準備リスト
練習後すぐに夕食を食べる場合は?
練習後、比較的すぐに夕食を食べられる場合は、必ずしも補食を追加する必要はありません。
夕食でご飯などの炭水化物と、肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質をとることで、運動後の栄養補給につなげられます。
一方、夕食まで時間が空く場合や、1日に複数回練習する場合は、早めの補食が役立ちます。
練習後の食事までの時間を確認し、自分の生活に合った方法でたんぱく質を補給しましょう。
たんぱく質が足りないときはどうする?
自分の食事を確認して、たんぱく質が目安量より少ないと分かった場合は、まずどの食事で補いやすいかを考えてみましょう。
足りない分を普段の食事で補うには?
例えば、体重50kgで1日75gを目安にしている学生アスリートが、普段の食事から60g程度とれている場合、目安との差は15gです。
この15gを1回の食事で補う必要はありません。
朝食がパンとジュースだけなら、卵や牛乳、豆乳を追加する方法があります。
また、昼食や夕食の主菜が少ない場合は、肉や魚、大豆製品などのおかずの量を見直してみましょう。
毎日ぴったり同じ量に合わせる必要はありません。
普段の食事を確認しながら、必要に応じて調整していきましょう。
プロテインを使った方がいい?

たんぱく質は、基本的に毎日の食事から摂取することがおすすめです。
まずは、自分の体重から1日に必要なたんぱく質量の目安を計算し、普段の食事でどのくらい摂取できているか確認してみましょう。
食事だけで必要量を満たすことが難しい場合や、練習や移動で食事の時間が取りにくい場合には、プロテインを活用する方法もあります。
プロテインは、手軽にたんぱく質を補給できる便利な食品です。自分の食事で不足しやすい分を補うために、上手に取り入れてみましょう。
まとめ|自分に合ったたんぱく質摂取量を知ろう

学生アスリートに必要なたんぱく質量は、年齢や体重、競技、トレーニング量などによって異なります。
成長期アスリートでは約1.5g/kg/日が目安の一つです。
ただし、この数値は一律の上限ではなく、必要量には個人差があります。
まずは自分の体重から摂取量の目安を計算し、普段の食事でどのくらいとれているか確認してみましょう。
食事の工夫や部活後の補食、必要に応じたプロテインの活用など、自分に合った方法を取り入れてみてください。
毎日の食事を少しずつ見直し、これからの体づくりや練習に役立てていきましょう!
参考文献
日本人の食事摂取基準(2025年版)
発行元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
Nutritional Recommendations for the Young Athlete
発行元:Journal of the Pediatric Orthopaedic Society of North America
https://jposna.org/index.php/jposna/article/view/599/702
International Society of Sports Nutrition Position Stand: Protein and Exercise
発行元:Journal of the International Society of Sports Nutrition
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5477153/
International Society of Sports Nutrition Position Stand: Nutrient Timing
発行元:Journal of the International Society of Sports Nutrition
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5596471/
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
発行元:文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
プロテインサプリメント
発行元:日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/study/sports_nutrition/tabid/1497/Default.aspx
Isolated Protein Supplement
発行元:Australian Institute of Sport
https://www.ausport.gov.au/ais/nutrition/supplements/group_a/sports-foods2/isolated-protein-supplement2

執筆者:丸井 遥
管理栄養士、スポーツ栄養プランナー、オンラインフードクリエイター。
病院・介護施設で栄養指導や栄養管理を経験。現在はフリーランスとして、スポーツ栄養教材の制作やダイエット栄養相談、記事執筆などを行っている。
また、栄養や子育てに役立つ情報をnoteでも発信中。
専門的な内容を、わかりやすく実践しやすい形で伝えることを大切にしている。








