
「筋肉をつけたいなら、やっぱり肉をたくさん食べたほうがいい?」
部活やクラブチームでスポーツに取り組んでいると、体の成長や筋肉づくりを意識して、たんぱく質を多く含む肉や魚を積極的に食べようと考えることもありますよね。
一方で、たんぱく質は肉や魚だけでなく、納豆や豆腐、豆乳などの植物性食品にも含まれています。
では、動物性と植物性のたんぱく質には、どのような違いがあるのでしょうか。
また、筋肉づくりにはどちらがよいのでしょうか。
この記事を読めば、動物性と植物性たんぱく質の違いや筋肉づくりとの関係が分かり、毎日の食事で食品を選べるようになります!
管理栄養士・スポーツ栄養プランナーが分かりやすく解説します。
Contents
動物性と植物性たんぱく質の違いとは?
動物性と植物性たんぱく質には、含まれるアミノ酸のバランスなどに違いがあります。
まずは、それぞれどのような食品に含まれているのか見ていきましょう。
それぞれに多く含まれる食品
動物性たんぱく質は肉・魚・卵・乳製品など、植物性たんぱく質は大豆製品や穀類などに含まれています。
| 種類 | 主な食品 |
|---|---|
| 動物性たんぱく質 | 肉、魚、卵、牛乳、ヨーグルト、チーズ |
| 植物性たんぱく質 | 納豆、豆腐、豆乳、枝豆、ご飯、パン |
必須アミノ酸のバランスには違いがある
たんぱく質は、アミノ酸という小さな成分が組み合わさってできています。
そのうち、体内で十分につくれず、食事からとる必要がある9種類を「必須アミノ酸」といいます。
肉・魚・卵などは、必須アミノ酸をバランスよく含む食品です。
一方、植物性たんぱく質は、食品によってアミノ酸のバランスが異なります。
例えば、ご飯などの穀類は必須アミノ酸の一つであるリシンが比較的少ないものの、大豆たんぱく質は必須アミノ酸を比較的バランスよく含んでいます。
この必須アミノ酸のバランスを評価する指標の一つが「アミノ酸スコア」です。
植物性たんぱく質といっても、すべて同じ特徴を持っているわけではないのです。

筋肉づくりには動物性と植物性のどちらがよい?
筋肉づくりには、動物性・植物性のどちらか一方を選ぶのではなく、たんぱく質の摂取量や食品ごとの特徴を考えることが大切です。
植物性食品の中でも、大豆製品は筋肉づくりに役立つたんぱく質源です。
植物性たんぱく質でも筋肉はつくられる?
「筋肉をつけるなら、やっぱり肉が一番?」
そんなイメージがあるかもしれませんが、納豆や豆腐などの植物性たんぱく質も、筋肉づくりに役立ちます。
筋肉の材料になるのは、たんぱく質が分解されてできるアミノ酸です。
肉や魚だけでなく、大豆製品などからとったたんぱく質も、体内でアミノ酸に分解されて利用されます。
ただし、食品によって含まれるたんぱく質の量には違いがあります。
例えば、鶏むね肉(皮なし・生)100gには約23.3g、木綿豆腐100gには約7.0gのたんぱく質が含まれています。
同じ重さでは鶏むね肉のほうが約3倍多いため、肉をそのまま豆腐に置き換えると、たんぱく質の摂取量が減る場合があります。
一方、大豆製品には、手軽に食事へ取り入れやすいというメリットがあります。
例えば、補食に豆乳を飲んだり、いつもの食事に納豆や冷ややっこを一品加えたりすることで、たんぱく質を補えます。
たんぱく質の必要量や体重別の計算方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:学生アスリートのたんぱく質摂取量は?体重別の計算方法と食事例
研究から分かる動物性・植物性たんぱく質と筋肉づくりの関係
筋肉づくりには、動物性たんぱく質のほうがよいのでしょうか?
2025年に発表された成人を対象とした研究の分析では、動物性たんぱく質のほうが、植物性たんぱく質全体との比較で筋肉量への効果がわずかに有利という結果が報告されています。
一方、大豆たんぱく質と牛乳由来のたんぱく質を比較した17件の研究では、筋肉量への効果にはっきりとした差は確認されませんでした。
このことから、大豆たんぱく質は、筋肉づくりに役立つ植物性たんぱく質の選択肢の一つといえます。
肉や魚だけでなく、納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品も、毎日の食事に上手に取り入れてみましょう。
植物性たんぱく質を含む食品とその特徴
納豆・豆腐・豆乳などの大豆製品
納豆・豆腐・豆乳などの大豆製品は、普段の食事にも取り入れやすい食品です。
例えば、納豆はそのまま食べられ、豆腐は冷ややっこなどに、豆乳は飲み物として取り入れられます。
また、同じ大豆からできていても、食品によってたんぱく質の量は異なります。

ご飯やパンなどの穀類にも含まれる
実は、ご飯やパンにも植物性たんぱく質が含まれています。
| 食品 | 食べる量の例 | たんぱく質 |
|---|---|---|
| ご飯 | 茶碗1杯(150g) | 約3.8g |
| ご飯 | 大盛り(200g) | 約5.0g |
| 食パン | 6枚切り1枚(60g) | 約5.3g |
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年。100g当たりの値から計算。
ご飯やパンは主に炭水化物を補給する食品ですが、たんぱく質も含まれています。
また、穀類は必須アミノ酸の一つであるリシンが比較的少ないものの、リシンを多く含む大豆製品などと組み合わせることで補うことができます。
1日に必要なたんぱく質は、肉や魚などのおかずだけでなく、主食も含めた食事全体からとることが大切です。
植物性たんぱく質を含む食品を取り入れるメリット
植物性たんぱく質を含む食品には、たんぱく質以外にもさまざまな栄養素が含まれています。
例えば、納豆には食物繊維や鉄、ナッツ類には不飽和脂肪酸やビタミンEなどが含まれています。
肉・魚・卵などに加えて植物性食品も取り入れることで、食事からとれる栄養素の幅を広げることができます。

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動物性と植物性の特徴を活かして食品を選ぶ
動物性と植物性たんぱく質には、それぞれ異なる特徴があります。
毎日の食事では、食品ごとの特徴を活かして取り入れていきましょう。
例えば、肉や魚を主菜にしながら、冷ややっこや納豆を一品加える方法があります。
また、食事でたんぱく質が少なかったときには、補食に豆乳などを取り入れるのもよいでしょう。
料理によっては、脂質の多いひき肉の一部を豆腐に置き換えて、脂質量を調整することもできます。
ただし、置き換える量によってはたんぱく質量も減るため、注意が必要です。
さらに、食品によって、たんぱく質以外に含まれる栄養素も異なります。
赤身肉には鉄や亜鉛、納豆には食物繊維、魚には種類によってEPA・DHAやビタミンDなどが含まれています。
肉・魚・卵などを日々の食事に取り入れながら、大豆製品も食事や補食に上手に活用してみましょう。
補食で何を食べるか、どのタイミングで食べるかについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:スポーツ選手の補食おすすめガイド|必要性・タイミング・量を管理栄養士が解説
まとめ|動物性・植物性の特徴を知って食品を選ぼう

筋肉づくりに必要なたんぱく質は、肉や魚だけでなく、大豆製品や穀類などからもとることができます。
植物性食品の中でも、大豆製品は必須アミノ酸を比較的バランスよく含む、良質なたんぱく質源です。
肉・魚・卵などを日々の食事に取り入れながら、納豆・豆腐・豆乳なども上手に活用して、成長期の体づくりにつながる食事を目指しましょう!
参考文献
① Effect of Plant Versus Animal Protein on Muscle Mass, Strength, Physical Performance, and Sarcopenia: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials
発行元:Nutrition Reviews(2025年)
著者:Rachel J Reid-McCann ほか
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39813010/
② International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise
発行元:Journal of the International Society of Sports Nutrition(2017年)
著者:Ralf Jäger ほか
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5477153/
③ 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
発行元:文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
④ 米と栄養
発行元:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/03/health01.html

執筆者:丸井 遥
管理栄養士、スポーツ栄養プランナー、オンラインフードクリエイター。
病院・介護施設で栄養指導や栄養管理を経験。現在はフリーランスとして、スポーツ栄養教材の制作やダイエット栄養相談、記事執筆などを行っている。
また、栄養や子育てに役立つ情報をnoteでも発信中。
専門的な内容を、わかりやすく実践しやすい形で伝えることを大切にしている。








