
部活やクラブチームでスポーツをしていると、「プロテインを飲んでみたい」「ビタミンや鉄のサプリメントをとったほうがいいのかな?」と考えることもあるでしょう。
しかし、サプリメントは商品によって成分や含有量、製造時の品質管理などが異なるため、安全性を確認して選ぶことが大切です。
この記事を読めば、中高生アスリートがサプリメントを使用・購入する前に、安全性を確認するポイントが分かるようになります!
管理栄養士・スポーツ栄養プランナーが分かりやすく解説します。
Contents
サプリメントは「成分が書いてある=安全」ではない
サプリメントを選ぶとき、パッケージに書かれた成分名だけを見て「この成分なら大丈夫」と判断していませんか?
サプリメントは医薬品ではなく、食品に分類されます。
しかし、食品だからといって必ずしも安全とは限りません。
特に錠剤やカプセル、粉末などのサプリメントは、特定の成分を手軽に摂取できる一方で、通常の食品より多量に摂取しやすいという特徴があります。
そのため、何が入っているかだけでなく、どのくらい摂ることになるのかまで確認することが重要です。
また、中高生では、成人と同じように安全性を判断できない製品もあります。
成長期であることも考慮しながら、使用するかどうかを考えましょう。
中高生アスリートがサプリメントを使う前に確認したいこと
サプリメントを選ぶときは、気になる成分が入っているかだけでなく、「本当に必要か」「どのくらい摂ることになるか」まで順番に確認することが大切です。
ここでは、中高生アスリートがサプリメントを使う前に確認したい4つのポイントを紹介します。
①本当にサプリメントで補う必要があるか
まず確認したいのは、その栄養素をサプリメントで補う必要があるのかということです。
中高生は、体が成長するための栄養に加えて、練習や試合で使うエネルギーや栄養素も必要です。
だからこそ、特定の栄養素だけに注目するのではなく、まずは毎日の食事を土台に考えます。
「疲れやすいから鉄」「体を大きくしたいからプロテイン」など、症状や目的だけで自己判断してサプリメントを追加するのではなく、普段の食事や体調、練習量なども含めて考えましょう。
② 成分と「1日に摂る量」を確認する
サプリメントを選ぶときは、原材料名や栄養成分表示を見て、1日にどの成分をどのくらい摂取することになるのかを確認しましょう。
プロテインも商品によって配合成分が異なり、たんぱく質だけでなく、炭水化物やビタミン・ミネラルなどが含まれているものもあります。
また、ビタミンやミネラルの中には、過剰摂取による健康への影響を考慮して、「耐容上限量」が設定されているものがあります。
耐容上限量とは、健康障害が生じるリスクがほとんどないと考えられる、習慣的な摂取量の上限です。
中高生で、耐容上限量が設定されているのは、ビタミンA・D・E、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、カルシウム、亜鉛、銅、ヨウ素、セレンです。マグネシウムは、通常の食品以外からの摂取について耐容上限量が設定されています。
年齢や性別によって基準が異なる場合があるため、サプリメントを選ぶ際は成分量とあわせて確認しましょう。
▶ 日本人の食事摂取基準(2025年版)|厚生労働省
③複数の商品で同じ成分をとっていないか確認する
サプリメントを複数使用すると、知らないうちに同じ栄養素を重複して摂取してしまうことがあります。
例えば、ビタミンやミネラルが配合されたプロテインと、マルチビタミン・ミネラルのサプリメントを一緒に使用する場合です。
それぞれの商品では適切な量でも、組み合わせることで摂取量が多くなる可能性があります。
複数の商品を利用するときは、同じ栄養素が含まれていないか確認し、1日に摂取する合計量が過剰にならないよう注意しましょう。
④アレルギーや薬との飲み合わせを確認する
サプリメントには、アレルギーの原因となる原材料が含まれている場合があります。
例えば、プロテインには乳や大豆などを原料とする商品があります。
食品アレルギーがある場合は、原材料表示やアレルゲン情報を必ず確認しましょう。
また、サプリメントの成分によっては、薬の働きに影響することもあります。
薬を服用している場合や、治療中の病気がある場合は、使用前に医師や薬剤師に相談してください。

アスリートは「ドーピング」も確認しよう
スポーツをする人がサプリメントを選ぶ際には、健康面だけでなく、アンチ・ドーピングの視点も重要です。
特に競技会に出場するアスリートは、禁止物質が体内から検出された場合、意図的に摂取していなくてもアンチ・ドーピング規則違反となる可能性があります。
サプリメントには禁止物質が混入するリスクがある
サプリメントの中には、製造工程などで、スポーツにおける禁止物質が意図せず混入してしまうものがあります。
本人が禁止物質を摂取するつもりがなくても、使用したサプリメントが原因でドーピング検査に影響する可能性があるのです。
そのため、アスリートは「市販されている商品だから大丈夫」と考えず、製品の情報を確認する必要があります。
成分表示だけでは判断できない!安全性を確認する3つのポイント
実は、サプリメントの成分表示をすべて確認しても、禁止物質が含まれていないとは言い切れません。
サプリメントには、パッケージに表示されていない物質が混入している可能性があるためです。
アスリートがサプリメントを選ぶ際には、次の3つの情報も確認しましょう。
- 製造元・販売元
会社名や問い合わせ先が明確になっているかを確認しましょう。 - 製造工場の品質管理
製造工場の品質管理については、GMP(適正製造規範)などの情報も参考になります。
GMPとは、原材料の受け入れから製造・出荷まで、製品の品質を一定に保つための管理基準です。
メーカーの公式サイトなどで、製造工場の品質管理に関する情報が公開されているか確認しましょう。
GMPは製品の品質を管理するための重要な基準ですが、禁止物質の混入リスクを確認するには、第三者機関による検査情報も参考になります。 - 禁止物質の第三者検査
禁止物質の混入リスクを減らすため、第三者機関による検査や認証の情報を確認する方法があります。
例えば「Informed Sport」は、スポーツで禁止されている物質の検査を行う認証制度です。
認証対象の商品は、公式サイトで製品名などから確認できます。製造ロットごとの検査情報が確認できる場合もあります。
認証マークを見るだけでなく、購入を検討している商品が実際に認証対象となっているかを確認しましょう。
▶ Informed Sport公式サイト
ただし、こうした情報を確認しても、禁止物質の混入リスクを完全になくせるわけではありません。

中高生アスリートと保護者のサプリメント確認チェックリスト
サプリメントを購入・使用する前に、次の項目を確認してみましょう。
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| □ 必要性 | 本当にサプリメントで補う必要がある? |
| □ 原材料・成分 | 何が入っているか確認した? |
| □ 含有量・摂取量 | 1日あたりの成分量や、該当する耐容上限量を確認した? |
| □ 成分の重複 | 食事やほかのサプリメントと重なっていない? |
| □ アレルギー・服薬 | アレルゲンや薬との飲み合わせを確認した? |
| □ 製品情報 | 製造元や工場の品質管理情報を確認できる? |
| □ アンチ・ドーピング | 第三者検査や認証対象製品の情報を確認した? |
サプリメントを購入する際は、保護者と一緒に製品情報を確認し、今回のチェックリストを活用してみましょう。
まとめ|サプリメントは成分だけでなく安全性まで確認しよう

サプリメントを選ぶときは、成分名だけでなく、含有量や摂取量、ほかの製品との重複などを確認することが大切です。
また、アスリートは健康面だけでなく、禁止物質の混入リスクにも目を向ける必要があります。
まずは毎日の食事を土台に考え、サプリメントを使用する場合は、今回紹介したチェックリストを活用してみましょう。
正しい知識を身につけて、自分の体と競技生活に合った選択をしていきましょう!
参考文献
「健康食品」に関する情報
発行元:食品安全委員会
URL:https://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html 林野庁
日本人の食事摂取基準(2025年版)
発行元:厚生労働省
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
11のアンチ・ドーピング規則違反
発行元:公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)
URL:https://www.playtruejapan.org/code/violation/ プレイトゥルージャパン
サプリメントに関するアンチ・ドーピング情報
発行元:公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)
URL:https://www.playtruejapan.org/code/rule/supplement.html
「錠剤、カプセル剤等食品の製造管理及び品質管理(GMP)に関する指針(ガイドライン)」について
発行元:消費者庁
URL:https://www.caa.go.jp/policies/policy/standards_evaluation/health_food/assets/cms_standards107_241227_02.pdf
Informed Sport 認証までの流れ
発行元:Informed Sport
URL:https://sport.wetestyoutrust.com/ja/about/certification-process Informed Sport
スポーツにおけるサプリメントの製品情報公開の枠組みに関するガイドライン
発行元:公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)
URL:https://www.playtruejapan.org/jada/s-guideline.html プレイトゥルージャパン

執筆者:丸井 遥
管理栄養士、スポーツ栄養プランナー、オンラインフードクリエイター。
病院・介護施設で栄養指導や栄養管理を経験。現在はフリーランスとして、スポーツ栄養教材の制作やダイエット栄養相談、記事執筆などを行っている。
また、栄養や子育てに役立つ情報をnoteでも発信中。
専門的な内容を、わかりやすく実践しやすい形で伝えることを大切にしている。








