
「もっと体を大きくしろって言われたけど、何を増やせばいい?」
「とりあえずご飯は大盛り。プロテインも飲んでいる。それでもなかなか体重が増えない……」
ラグビー部では、体づくりのために食事量を増やす「食トレ」に取り組むこともあります。
特にラグビーは、走る動きに加えてタックルなどのコンタクトもある競技です。
そのため、競技で目指す体格を考えながら増量に取り組む選手もいるでしょう。
ただ、食事量を増やす方法は、夕食のご飯を大盛りにするだけではありません。
朝食、お弁当、部活前、練習後、夕食。
1日のどこで何を増やせるのか。
この記事では、体を大きくしたい高校生ラグビー選手に向けて、増量するときの食事の考え方と、学校・部活がある日の1日の食事例を、管理栄養士・スポーツ栄養プランナーがわかりやすく解説します。
Contents
ラグビー部の「食トレ」=とにかくご飯をたくさん食べること?
高校生ラグビー選手が増量するときは、ご飯やプロテインだけを増やすのではなく、3食と補食を含めて1日全体の食事量を増やすことが基本です。
ラグビー部の体づくりでは、「もっと食べよう」「ご飯を増やそう」と言われることがあるかもしれません。
実際、体を大きくするためには、今までと同じ食事のままではなく、必要に応じて食事量を増やすことも必要です。
一方で、ご飯だけを一律に増やせばよいとは限りません。
必要な食事量は、現在の体格やトレーニング内容などによって異なります。
競技でどのような体格を目指すのかも考えながら、食事を調整していきましょう。
同じラグビーでも選手によって条件は異なるため、「ラグビー部だから全員この量」と一律に考えず、自分の体や練習に合わせて食事を考えていきましょう。
体を大きくしたいなら、まずエネルギー不足を防ごう
「筋肉をつけたいから肉を増やす」「プロテインを飲む」など、体づくりではたんぱく質に目が向きやすくなります。
しかし、成長や日常生活、部活動で使うエネルギーを十分にとれていなければ、体づくりに必要なエネルギーも不足してしまいます。
そのため増量では、特定の食品や栄養素だけを増やすのではなく、1日全体で必要なエネルギーや栄養素をとることが基本です。
増量の基本や、食べているのになかなか体重が増えないときの考え方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
▶ 関連記事:食べても太らないのはなぜ?痩せ型アスリートが体重を増やす食事のコツ
高校生ラグビー選手の増量は「1日のどこで増やすか」を考えよう
「増量するなら、朝・昼・夕の3食の1食ずつをもっと増やさないと」と考えていませんか?
もちろん、1食の量を増やす方法もあります。
ただ、一度にたくさん食べるのが大変な場合は、1日の食事を振り返って、食事量や食べる回数を増やせるタイミングを探す方法もあります。
たとえば、次のようなところを確認してみましょう。
- 朝食がパンやご飯だけになっている
- 昼のお弁当から部活まで何も食べていない
- 練習後、帰宅するまで何も食べていない
- おかずは多いけれど、ご飯などの主食が少ない
一度にたくさん食べるのが難しい場合は、3食だけで増やそうとせず、補食も活用しながら1日全体で考えてみましょう。
ここからは、学校に通いながら放課後にラグビーの練習をする高校生を例に見ていきましょう。
高校生ラグビー選手の1日の食事例

朝食|「朝はあまり入らない」なら、まず1品プラス
体を大きくしたいからといって、朝から無理に大盛りのご飯を食べる必要はありません。
まずは、今の朝食に何があるかを確認します。
たとえば、
ご飯+卵料理+野菜のおかず+みそ汁+ヨーグルト+果物
など、主食・主菜・副菜に、牛乳・乳製品や果物を組み合わせます。
パンだけなら卵やヨーグルトを追加する、ご飯が少ないなら少し増やすなど、食べられるところから増やしてみましょう。
昼食|「弁当は食べている」で終わらせない
ラグビー部で増量を目指すなら、お弁当の中身も確認してみましょう。
たとえば、
ご飯+肉や魚のおかず+卵料理+野菜のおかず+果物
などを組み合わせます。
体づくりというと肉や卵などのおかずを増やしたくなりますが、ご飯などの主食もエネルギーをとるために重要です。
「おかずはしっかり入っているけれど、ご飯は少ない」という状態になっていないか確認してみましょう。
一方、大きなお弁当を食べ切るのが大変なら、昼食だけですべてとろうとせず、食べきれない分を部活前の補食に分ける方法もあります。
部活前|昼のお弁当から練習まで何も食べていない?
昼休みにお弁当を食べて、そのまま放課後の練習へ。
その間、何も食べていないという日はありませんか?
昼食から練習開始まで時間が空く場合は、部活前も食事を増やせるタイミングのひとつです。
おにぎり、パン、バナナなど、練習前でも食べやすいものを補食として利用できます。
「お弁当をこれ以上大きくするのはきつい」という選手も、昼食と補食に分ければ食べる量を増やしやすくなります。
補食の量や食べるタイミングについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
▶ 関連記事:スポーツ選手の補食おすすめガイド|必要性・タイミング・量を管理栄養士が解説
部活後|プロテインだけで終わっていない?
練習後にプロテインを飲んでいる選手もいるでしょう。
しかし、増量を考えるなら、たんぱく質だけでなく、練習で使ったエネルギーを補うことも考える必要があります。
練習後すぐに夕食を食べられるなら、そのまま夕食につなげます。
帰宅まで時間がかかり夕食が遅くなる場合は、おにぎりやパンなどに、牛乳・乳製品などを組み合わせて補食にする方法があります。
「練習後にプロテインを飲んだからOK」で終わらせず、夕食までの時間と1日の食事全体を見て考えましょう。
夕食|ご飯大盛りだけに増量を任せない
夕食では、ご飯などの主食、肉・魚などの主菜、野菜などの副菜を組み合わせます。
たとえば、
ご飯+肉や魚の主菜+野菜のおかず+汁物+果物
などです。
食べられるのであれば、夕食の主食やおかずを増やすことも食事量を確保する方法のひとつです。
ただし、毎晩夕食だけを大盛りにして苦しくなるなら、朝食・昼食・部活前後の補食まで含めて、1日全体に分けて増やせないかを考えてみましょう。
ラグビー部の増量はプロテインを増やせばいい?
「体を大きくしたいからプロテインを増やそう」と考える選手もいるかもしれません。
プロテインは、たんぱく質を補給するための食品です。
増量では、プロテインだけに注目せず、1日全体で必要なエネルギーや栄養素をとれているかを確認することが重要です。
朝食が少ない、昼食から部活まで何も食べていない、ご飯などの主食が少ないといった場合は、まず普段の食事から見直します。
3食を食べる → 食事のバランスを整える → 足りない時間帯に補食を入れる
という順番で確認すると、今の食事で増やせるところを見つけやすくなります。
体重だけでなく「食事・練習・体調」も一緒に確認しよう
ラグビーの体づくりでは、単に体重計の数字を増やすことだけを目標にするのではなく、競技でどのような体格を目指しているのかも考える必要があります。
必要な食事量は、現在の体格や練習内容、競技で目指す体格などによって異なります。
体重の変化だけでなく、普段の食事、練習内容、食欲、疲労などもあわせて確認しながら食事を調整していきましょう。
まとめ|高校生ラグビー選手の増量は1日全体で考えよう

ラグビー部で「もっと体を大きくしたい」と思ったとき、夕食のご飯を大盛りにしたり、プロテインを増やしたりするだけが方法ではありません。
朝食を増やす、お弁当の主食を見直す、部活前に補食をとる、練習後から夕食までの間に補食を入れる。
食事量を増やす方法は、1日の中にいくつもあります。
まずは、自分の学校・部活がある1日を振り返り、「ここならもう少し増やせそう」と思う食事やタイミングを見つけることから始めてみましょう。
毎日の食事の積み重ねが、これからの体づくりにつながります。
自分に合った食べ方を見つけながら、目指す体に近づいていきましょう。
参考文献
- 独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター「アスリートの食事の基本」
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/study/sports_nutrition/tabid/1478/Default.aspx - 独立行政法人日本スポーツ振興センター「アスリートのためのトータルコンディショニングガイドライン」
https://hpsc-totalconditioning.jpnsport.go.jp/file/113 - 独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター「プロテインサプリメント」
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/study/sports_nutrition/tabid/1497/Default.aspx - Yamamoto H, et al. “Longitudinal Development of Physical Characteristics and Function in Japanese Junior Rugby Union Players.” International Journal of Sports Physiology and Performance. 2023.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37500081/

執筆者:丸井 遥
管理栄養士、スポーツ栄養プランナー、オンラインフードクリエイター。
病院・介護施設で栄養指導や栄養管理を経験。現在はフリーランスとして、スポーツ栄養教材の制作やダイエット栄養相談、記事執筆などを行っている。
また、栄養や子育てに役立つ情報をnoteでも発信中。
専門的な内容を、わかりやすく実践しやすい形で伝えることを大切にしている。









