
部活動やスポーツを頑張っていると、「練習の途中でお腹が空く」「後半になると力が出ない」「補食には何を食べればいいの?」と悩むことはありませんか?
そんなときに役立つのが、補食(ほしょく)です。
補食は、ただお腹を満たすためのおやつではありません。
3回の食事だけでは足りないエネルギーや栄養を補い、練習や試合、体づくりを支えるための食事です。
この記事を読めば、補食の役割や選び方の基本を理解し、自分に合った補食を考えられるようになります!
管理栄養士・スポーツ栄養プランナーがわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 補食とは何か、なぜ必要なのか
- 補食を取り入れたい日やタイミング
- 補食を食べる量の考え方
- 目的に合った補食の選び方
- コンビニでも買える補食の例
Contents
補食とは?なぜ必要なの?

補食とは、朝・昼・夕の3回の食事だけでは足りないエネルギーや栄養を補うための食事です。
スポーツ選手は、一般の人よりもエネルギー消費量が多くなります。
普段の生活に加えて、練習や試合でも多くのエネルギーを使うためです。
また、中学生や高校生のアスリートは、成長に必要なエネルギーも必要となるため、運動量によっては3回の食事だけでは必要なエネルギーや栄養素を十分に補えないことがあります。
また、学校給食は多くの生徒を対象とした栄養基準をもとに作られているため、毎日ハードな練習を行う選手の運動量まで考慮しているわけではありません。
そのため、放課後に部活動がある日や練習時間が長い日は、補食を取り入れて不足しやすいエネルギーや栄養を補うことが大切です。
例えば、次のような場面です。
- 朝練があり、朝食を十分に食べる時間がない
- 長時間の練習や試合がある
- 帰宅が遅く、夕食まで時間が空く
- 食が細く、一度にたくさん食べられない
- 体づくりのために食事だけではエネルギーが足りない
このようなときに補食を取り入れることで、不足しやすいエネルギーや栄養を補い、コンディションづくりや体づくりにつなげることができます。
補食とおやつは何が違う?

補食とおやつの違いは、「食べる目的」です。
どちらも食事と食事の間に食べるものですが、補食はスポーツや成長に必要なエネルギーや栄養を補うための食事です。
もちろん、お菓子がすべて補食に向いていないわけではありません。
例えば、ようかんやカステラは、運動前のエネルギー補給に取り入れやすい食品です。
大切なのは、「何を食べるか」だけでなく、「何のために、いつ、どのくらい食べるか」を考えて選ぶことです。
補食を取り入れるメリット
補食は、練習や試合で力を発揮しやすくし、毎日の体づくりや回復をサポートします。
必要なタイミングで補食を取り入れることで、次のようなメリットが期待できます。
- 練習・試合の最後まで動きやすくなる
- 集中力を保ちやすくなる
- 練習・試合後の回復を助ける
- 成長や体づくりに必要な栄養を補いやすくなる
特に中学生や高校生は、運動と成長の両方にエネルギーを使います。
「練習の後半になると動けない」「帰宅するころにはぐったりしている」「しっかり食べているのに体重が増えにくい」と感じる場合は、食事だけでなく補食も見直してみるとよいでしょう。
補食はいつ・何を食べたらいい?
補食は、食べるタイミングによって目的や選ぶ食品が変わります。
運動前・運動直前・運動中・運動後それぞれに合った補食を選ぶことで、パフォーマンス維持や回復につながります。
すべてのタイミングで補食を食べる必要はありません。
食事との間隔や運動時間に合わせて、必要なタイミングだけ取り入れましょう。

運動前(2〜3時間前)
【目的】
運動で使うエネルギーをしっかり補い、最後まで動ける状態を整えます。
【おすすめ食品】
- おにぎり
- パン
- バナナ
【ポイント】
糖質を中心に、消化しやすい食品を選びましょう。
脂質や食物繊維の多い食品は消化に時間がかかるため、食べ過ぎには注意が必要です。
運動直前(30〜60分前)
【目的】
すぐに使えるエネルギーを補給し、空腹によるパフォーマンス低下を防ぎます。
【おすすめ食品】
- バナナ
- ようかん
- ゼリー飲料
【ポイント】
量は少なめにし、消化しやすく手軽に食べられるものを選びましょう。
胃が重くならないよう、自分に合った量を見つけることが大切です。
運動中(30分以上の運動)
【目的】
水分や糖質を補給し、パフォーマンスの維持を目指します。
【おすすめ食品】
- スポーツドリンク
- ゼリー飲料
【ポイント】
30分以上続く運動や暑い環境では、水分と糖質をこまめに補給しましょう。
大量に一度に飲んだり食べたりするのではなく、少量ずつ摂るのがおすすめです。
スポーツドリンクにはアイソトニック飲料とハイポトニック飲料などの種類があり、運動時間や暑さによって選び方が変わります。詳しくは、こちらの記事で解説しています。
▶スポーツドリンクの種類は全部同じじゃない!違いと正しい選び方を管理栄養士が解説(内部リンク)
運動後(できるだけ早め〈目安30〜60分以内〉)
【目的】
運動で使ったエネルギーを補い、体の回復と次の運動に備えます。
【おすすめ食品】
- おにぎり+牛乳
- サンドイッチ+牛乳
- バナナ+ヨーグルト
- おにぎり+ゆで卵
【ポイント】
運動後は、糖質とたんぱく質を組み合わせることがポイントです。
糖質は運動で使ったエネルギーの回復を助け、たんぱく質は筋肉の修復や体づくりをサポートします。
さらに、炭水化物とたんぱく質を一緒に摂取することで、筋肉の回復や体づくりを支える筋たんぱく質の合成が高まりやすいことも報告されています。
補食は、運動後できるだけ早め(目安は30〜60分以内)に摂ると回復をサポートしやすくなります。
夕食まで時間が空く日は、補食を取り入れて回復に役立てましょう。
また、汗をたくさんかいた日は、水分や電解質(ナトリウムなど)もあわせて補給しましょう。
補食の量の目安
補食の量は、年齢や体格、競技、練習時間、前後の食事によって異なります。
全員が同じ量を食べる必要はありません。
まずは、次の食事に影響しない量を目安にしましょう。
練習前の補食なら、次のような量から始めます。
- おにぎり1個
- バナナ1本
- あんぱん1個
- カステラ1〜2切れ
- ようかん1個
- ゼリー飲料1個
練習時間が長い日や、昼食から夕食まで長く空く場合は、1品だけでは足りないこともあります。
その場合は、おにぎりと牛乳、バナナとヨーグルトなど、食品を組み合わせて量を増やしましょう。
ただし、練習直前に多く食べると、胃の重さや腹痛につながることがあります。
練習まで時間がない場合は、バナナやようかん、ゼリー飲料などを少量にします。
食べた後は、練習中に空腹を感じなかったか、力を発揮できたか、胃が重くならなかったか、夕食を普段どおり食べられたかを確認してください。
体の様子を見ながら、自分に合う量へ調整することが大切です。
食べた後にチェックしたいポイント

補食は、「これが正解」という量が決まっているわけではありません。
食べた後の体の様子を確認しながら、自分に合った量や食品を見つけていきましょう。
- お腹が空かなかった?
- 力が出た?
- 胃は重くなかった?
- 夕食は食べられた?
どれか気になる点があれば、補食の量や食べるタイミング、食品の種類を少しずつ調整してみましょう。
よくある失敗と注意点
補食は、食べるタイミングや選び方によっては十分な効果が得られないことがあります。
次のような点に注意しましょう。
補食を食べない
昼食から夕食まで時間が空くと、エネルギー不足になり、練習後半に力が出にくくなることがあります。
食事の間隔が長く空く日は、おにぎりやバナナなどを活用して、必要に応じて補食を取り入れましょう。
目的に合わない補食を選ぶ
運動前・運動中・運動後では、補食の目的やおすすめの食品が異なります。
運動前は糖質を中心に、運動後は糖質とたんぱく質を組み合わせるなど、タイミングに合わせて選ぶことが大切です。
練習直前に食べ過ぎる
食べ過ぎると胃が重くなり、動きにくさや腹痛につながることがあります。
練習まで時間が短い場合は、バナナやようかん、ゼリー飲料など、消化しやすいものを少量にしましょう。

補食を無理なく続けるコツ

補食は、毎回完璧に用意するよりも、無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。
続けやすくするために、次のような工夫をしてみましょう。
- 練習の予定に合わせて前日に準備する
- バッグに常温で保存できる食品を入れておく
- コンビニやスーパーの商品を活用する
- 食べる時間を決めておく
- 家族と必要な食品を相談しておく
特に学校からそのまま部活動へ向かう場合は、すぐに食べられるものを用意しておくと安心です。
ただし、おにぎりや乳製品などは、気温や保存時間によって傷むことがあります。
暑い時期は、保冷バッグや保冷剤を使い、長時間常温に置かないようにしましょう。
遠征や合宿では、持ち運びしやすい補食を準備しておくと安心です。
▶ 【保存版】合宿の持ち物完全ガイド|補食・常温OK食品・準備リスト(内部リンク)
よくある質問
Q. コンビニでも補食は買えますか?
A. はい。コンビニでも補食に使いやすい食品を購入できます。
おにぎり、パン、バナナ、牛乳、ヨーグルト、ゼリー飲料などを、食べるタイミングや目的に合わせて選びましょう。
Q. 補食は練習の何分前に食べればいいですか?
A. 食べる量や食品は、練習までの時間によって変わります。
練習まで2〜3時間ある場合は、おにぎりやパン(菓子パンや揚げパンは控えめに)などでしっかりエネルギーを補給しましょう。
30〜60分前になったら、バナナやようかん、ゼリー飲料など、消化しやすいものを少量にするのがおすすめです。
胃腸の強さには個人差があるため、普段の練習で試しながら、自分に合ったタイミングを見つけることが大切です。
Q. 補食はプロテインだけでもいいですか?
A. プロテインだけでは、運動で使ったエネルギーを十分に補えない場合があります。
プロテインは主にたんぱく質を補う食品です。
練習後は、おにぎりやパン、バナナなどの糖質を含む食品と組み合わせるとよいでしょう。
Q. 補食を食べると太りますか?
A. 必要な日に適量を食べる補食は、太るための食事ではありません。
補食は、練習や試合、成長に必要なエネルギーを補うために食べます。
ただし、運動量に対して食べる量が多すぎると、エネルギーの摂り過ぎになることがあります。
運動量や前後の食事に合わせて量を調整しましょう。
Q. 練習直前にお腹が空いたら何を食べればいいですか?
A. 練習直前は、量が多いものや脂質の多いものを避け、食べやすい食品を少量選びましょう。
バナナ、ようかん、ゼリー飲料などが候補になります。
ただし、試合当日に初めて食べる食品は避け、普段の練習で自分の体に合うか確認しておきましょう。
Q. 補食は毎日食べたほうがいいですか?
A. 補食は毎日必ず必要というわけではありません。
練習時間や運動量、前後の食事で不足しやすいエネルギーや栄養を補うために取り入れます。
運動量が少ない日や食事で十分に補えている日は、無理に補食を食べる必要はありません。
まとめ

補食は、3回の食事だけでは不足しやすいエネルギーや栄養を補い、毎日の練習や試合、成長期の体づくりを支える大切な食事です。
大切なのは、「何を食べるか」だけでなく、「いつ・どのくらい・何のために食べるか」を考えて選ぶことです。
練習前はエネルギー補給、練習直前は消化しやすい食品、練習後は回復を意識して糖質とたんぱく質を組み合わせるなど、タイミングに合わせて補食を取り入れましょう。
また、補食の量に決まった正解はありません。
年齢や体格、運動量、前後の食事に合わせて調整し、練習中の空腹感やパフォーマンス、食後の体調などを確認しながら、自分に合った補食を見つけていくことが大切です。
まずは、おにぎりやバナナ、ヨーグルトなど、身近な食品から無理なく始めてみましょう。
自分に合った補食を上手に取り入れることが、パフォーマンスの維持・向上やコンディションづくり、そして成長期の体づくりにつながります。
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参考文献
- JFA栄養ガイドライン
発行元:公益財団法人 日本サッカー協会(JFA)
https://www.jfa.jp/football_family/medical/a08.html - Nutrition and Athletic Performance
発行元:Academy of Nutrition and Dietetics、Dietitians of Canada、American College of Sports Medicine
著者:Thomas DT, Erdman KA, Burke LM
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26891166/

執筆者:丸井 遥
管理栄養士、スポーツ栄養プランナー、オンラインフードクリエイター。
病院・介護施設で栄養指導や栄養管理を経験。現在はフリーランスとして、スポーツ栄養教材の制作や栄養相談、記事執筆などを行っている。
また、栄養や子育てに役立つ情報をnoteでも発信中。
専門的な内容を、わかりやすく実践しやすい形で伝えることを大切にしている。








