
「テスト期間でしばらく部活がない。筋肉って何日くらい休むと落ちる?」
「ケガで練習できない間も、筋肉を落とさないためにできることはある?」
テスト期間やケガなどで部活を休むことになると、せっかくつけた筋肉が落ちてしまわないか心配になりますよね。
結論からいうと、1〜2週間程度部活を休んだからといって、それまでにつけた筋肉や筋力が一気に落ちると心配しすぎる必要はありません。
ただし、休んでいる間の体の変化は、普段の活動量や休んでいる理由によっても異なります。
また、部活がないからといって、食事を極端に減らすのではなく、3食を土台にして、活動量に合わせて食事を調整することがポイントです。
この記事を読めば、筋肉が落ちる期間の目安と、テスト期間やケガで部活を休むときの食事のポイントが分かります!
管理栄養士・スポーツ栄養プランナーが分かりやすく解説します。
Contents
筋肉が落ちる期間は?1〜2週間の休みなら心配しすぎなくて大丈夫
トレーニングを休むことで、それまでの練習で高めてきた体力や筋力などが少しずつ低下していくことを「ディトレーニング」といいます。
HPSC(ハイパフォーマンススポーツセンター)は、4週間以内の短い休止期間について、2週間程度では筋力の低下はほぼないと紹介しています。
また、15〜18歳の男性アスリート21人を対象とした研究では、12週間の筋力トレーニングを行ったあと、3週間トレーニングを完全に休んでも、筋肉の厚さや筋力、スポーツパフォーマンスに大きな低下はみられませんでした。
そのため、テスト期間などで数日〜1、2週間部活を休むことになっても、「筋肉がどんどん落ちてしまう」と焦る必要はないでしょう。
ただし、これらはトレーニングを休止した場合の研究結果です。
ケガで患部を固定している場合など、筋肉をほとんど動かせない状況では条件が異なります。

筋肉が落ちなくてもパフォーマンスは低下する?
筋肉の大きさや筋力が大きく低下していなくても、休んだあとに持久力やダッシュ力などの競技パフォーマンスが低下することがあります。
U15・U17のエリートサッカー選手を対象とした研究では、2週間トレーニングを中止したあと、ジャンプ力や20mのダッシュ、持久力などに低下がみられました。
そのため、久しぶりの部活で「前より走るのがきつい」「体が重い」と感じても、筋肉が落ちたことだけが原因とは限りません。
筋肉量や筋力と、持久力や競技パフォーマンスは同じものではないことを覚えておきましょう。
ケガで動けない場合は筋肉への影響が異なる
テスト期間などで部活が休みでも、通学したり校内を歩いたりと、日常生活の中では体を動かしています。
一方、ケガでギプスをつけていたり、患部をほとんど動かせなかったりする場合は、その部分の筋肉を使う機会が大きく減ります。
そのため、先ほど紹介した短期間トレーニングを休止した場合の研究結果を、ケガで患部を固定している場合にそのまま当てはめることはできません。
ただし、ケガで練習できない間も、食事の面から体を支えることはできます。
まずは、部活を休んでいる間に共通する食事の基本から見ていきましょう。
部活を休んでいる間に筋肉を維持するための食事
テスト期間だけでなく、ケガで練習できないときも、食事を大きく減らさないことが基本です。
部活を休むと、練習をしていたときより消費するエネルギーは少なくなります。
しかし、中高生は成長期のため、部活をしていない日も成長や日常生活にエネルギーや栄養素が必要です。
そのため、「運動していないから」と食事全体を大きく減らすのではなく、3食を土台にして、練習のために追加していたものを活動量に合わせて調整すると考えましょう。

3食は大きく減らさない
練習がなくなれば、普段より消費するエネルギーは少なくなります。
そこで、まず確認したいのが「練習のために追加していたもの」です。
たとえば、普段の練習日にとっている
・練習前のおにぎりやパン
・練習後の補食
・練習中のスポーツドリンク
などです。
練習がなければ、これらを普段と同じようにとる必要がない場合があります。
ただし、補食には3食だけでは足りないエネルギーや栄養素を補う役割もあります。
「部活がないから全部なし」と決めるのではなく、普段の食事や活動量に合わせて調整しましょう。
補食の役割や、練習前後にとるタイミング・量について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:スポーツ選手の補食おすすめガイド|必要性・タイミング・量を管理栄養士が解説
運動しない日もたんぱく質は3食からとる
部活がない日も、たんぱく質は必要です。
肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などのたんぱく質源を、朝・昼・夕の3食に分けてとることを意識しましょう。
筋肉を落としたくないからといって、休んでいる間だけたんぱく質を増やす必要はありません。
主食・主菜・副菜などを組み合わせた普段の食事を土台にして、必要なたんぱく質をとることが大切です。
ケガで練習できないときの食事で意識したいこと
ケガで練習できないときも、ここまで紹介した食事の基本は同じです。
ただし、ケガをしているときは、損傷した組織の修復や筋肉の維持のためにも、エネルギー不足にならないよう注意が必要です。
練習量が減ると消費するエネルギーも少なくなりますが、「動いていないから」と食事量を大きく減らすと、体の回復に必要なエネルギーまで不足する可能性があります。
また、ケガの種類によって意識したい栄養素も異なります。
たとえば、捻挫による靱帯損傷や腱の損傷では、コラーゲンを多く含む結合組織の修復が関わります。
コラーゲンはたんぱく質の一種で、その合成にはビタミンCも関わります。
腱や靱帯とコラーゲンの関係について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:筋肉だけ鍛えると怪我をする?スポーツ選手の腱・靭帯を守るコラーゲンの重要性
ケガからの復帰やリハビリについて詳しく知りたい方は、こちらからケガ別の記事をご覧いただけます。
▶ 関連記事: ケガの予防と早期回復の記事一覧
部活を再開したら食事も練習量に合わせて戻す
練習を再開したら、食事も練習量に合わせて戻していきましょう。
テスト期間などで練習前後の補食やスポーツドリンクを減らしていた場合は、練習時間や強度に合わせて再び取り入れます。
休んでいる間の食事量のまま練習を再開すると、練習で使うエネルギーを十分に補えないことがあります。
ケガから復帰する場合も、活動量が増えるにつれて必要なエネルギー量は変わります。
練習量が戻ってきたら、食事や補食も少しずつ練習時の形に戻していきましょう。
よくある質問
筋肉が落ちるのは何日休んでから?
数日〜1、2週間程度休んだからといって、筋肉や筋力が一気に落ちると心配しすぎる必要はありません。
ただし、筋肉や筋力の変化には個人差があり、それまでのトレーニング状況や休んでいる間の活動量などによっても異なります。
運動しない日もプロテインは飲んでいい?
普段から食事で不足するたんぱく質をプロテインで補っている場合は、運動しない日も食事内容に合わせて活用できます。
プロテインは「筋トレをした日だけ飲むもの」ではありません。
ただし、3食から必要なたんぱく質をとれているのであれば、筋肉を落としたくないからという理由だけで追加したり、休んでいる間だけ量を増やしたりする必要はありません。
運動したかどうかだけで決めるのではなく、1日の食事全体を見て、不足する分を補うものと考えましょう。
まとめ|部活を休む期間も体づくりの途中

テスト期間などで1〜2週間程度部活を休んだからといって、筋肉や筋力が一気に落ちると心配しすぎる必要はありません。
ただし、テスト期間などで普段通り生活している場合と、ケガで患部を固定している場合では条件が異なります。
部活がないときは3食を大きく減らすのではなく、練習前後の補食やスポーツドリンクなど、練習のために追加していたものから活動量に合わせて調整するのがポイントです。
ケガで練習できないときも、回復に必要なエネルギーや栄養素まで不足させないようにしましょう。
部活を休む期間も、体づくりの途中です。
焦って食事を減らしたり、筋肉を落とさないために無理をしたりする必要はありません。
今の活動量に合った食事をとりながら体を整えて、部活を再開する日に備えましょう。
参考文献
ディトレーニング:スポーツでも「継続は力なり」
発行元:独立行政法人日本スポーツ振興センター Athlete Pathway
https://pathway.jpnsport.go.jp/sports/column07.html
Three Weeks of Detraining Does Not Decrease Muscle Thickness, Strength or Sport Performance in Adolescent Athletes
発行元:International Journal of Exercise Science
著者:Simon Gavanda, Stephan Geisler, Oliver J. Quittmann, Helen Bauhaus, Thorsten Schiffer
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32509134/
Effects of a Short-Term Detraining Period on the Physical Fitness in Elite Youth Soccer Players: A Comparison Between Chronological Age Groups
発行元:Journal of Strength and Conditioning Research
著者:Alexis Padrón-Cabo, Miguel Lorenzo-Martínez, Vicente De Dios-Álvarez, Ezequiel Rey, David Solleiro-Durán
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39471049/
Nutritional Strategies in the Rehabilitation of Musculoskeletal Injuries in Athletes: A Systematic Integrative Review
発行元:Nutrients
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9965375/

執筆者:丸井 遥
管理栄養士、スポーツ栄養プランナー、オンラインフードクリエイター。
病院・介護施設で栄養指導や栄養管理を経験。現在はフリーランスとして、スポーツ栄養教材の制作やダイエット栄養相談、記事執筆などを行っている。
また、栄養や子育てに役立つ情報をnoteでも発信中。
専門的な内容を、わかりやすく実践しやすい形で伝えることを大切にしている。








