
「周りと同じくらい食べているのに、自分だけ細い」「もっと食べろと言われるけれど、これ以上は食べられない」と悩んでいませんか?
食べても太らないと「もともとの体質だから仕方ない」と思ってしまいがちです。
しかし、スポーツをしている人の場合、練習で使うエネルギーが多く、食事から摂るエネルギーが追いついていないこともあります。
特に中高生は、運動だけでなく成長にもエネルギーが必要な時期です。
体重の数字だけを増やすのではなく、筋肉や骨などを含めて競技に必要な体をつくるためには、食べ方にも工夫が必要です。
この記事を読めば、食べても太らない理由と、痩せ型アスリートが競技に必要な体をつくるための食事のコツが分かります!
管理栄養士・スポーツ栄養プランナーが分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- 食べても太らない・体重が増えにくい理由
- 痩せ型アスリートが競技に必要な体をつくる食事のコツ
- 一度にたくさん食べられないときのエネルギーの増やし方
Contents
食べても太らないのはなぜ?痩せ型の人に考えられる理由
食べても太らない人では、体格や代謝などの個人差に加えて、食事から摂るエネルギーよりも、体が使うエネルギーが多くなっている可能性があります。
特に成長期にスポーツをしている中高生は、成長と運動の両方にエネルギーが必要です。

中高生は運動だけでなく成長にもエネルギーを使う
成長期の中高生は、身長が伸びたり、骨や筋肉が発達したりするためにもエネルギーが必要です。
つまり、成長期のアスリートには、
日常生活+成長+部活・トレーニング
で使うエネルギーを食事から確保する必要があります。
そのため、運動をしていない同年代と同じくらい食べていても、練習量の多い選手では必要な量に届いていない可能性があります。
摂取エネルギーより消費エネルギーが多い
成長に加えて部活やトレーニングでもエネルギーを使う中高生アスリートは、本人が「結構食べている」と思っていても、摂取量が消費量に追いついていないことがあります。
食事から摂るエネルギー < 体が使うエネルギー
という状態では、体重を増やすための十分なエネルギーを確保できません。
例えば、夕食でご飯を大盛りにしていても、朝食が少なかったり、昼食から夕食まで何も食べずに部活をしていたりすると、1日全体では必要な量に届いていないことがあります。
もちろん、体格や代謝、活動量などには個人差があります。しかし、食べても太らない人は「体質だから」と決めつける前に、1日を通して必要な量を食べられているかを確認してみましょう。
痩せ型アスリートはエネルギー不足に注意
細身であること自体が悪いわけではありません。
注意したいのは、体重が増えない背景に、成長やスポーツに必要なエネルギーの不足が隠れている場合です。
必要なエネルギーが不足した状態が続くと、体づくりだけでなく、健康やスポーツパフォーマンスにも影響する可能性があります。
「体重が増えない」に加えて、「疲れが取れない」「パフォーマンスが落ちている」などの不調が続いている場合は、食事だけでなく練習量や休養も見直してみましょう。
疲労が抜けないときの原因や対策について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:頑張りすぎが逆効果?オーバートレーニングの症状・原因・回復・予防を管理栄養士が解説
痩せ型アスリートが体重を増やす食事の5つのコツ
痩せ型アスリートが目指したいのは、ただ体重計の数字を増やすことではありません。
必要なエネルギーと栄養素を確保し、筋肉や骨などを含めて競技に必要な体をつくることが大切です。
一度にたくさん食べるのが苦手な人は、無理に1食の量を増やす必要はありません。
3食を基本に、食べる回数や食品の選び方を工夫して、1日全体で摂れるエネルギーを増やしていきましょう。

①1日3食をしっかり食べる
体づくりの基本となるのが、朝・昼・夕の3食です。
特に朝食が「パン1枚だけ」「飲み物だけ」という人は、ご飯やパンなどの主食に、卵や乳製品などをプラスしてみましょう。
夕食だけで不足分を取り戻そうとせず、朝から3食に分けて必要なエネルギーや栄養素を摂ることがポイントです。
②主食をしっかり食べてエネルギーを確保する
ご飯・パン・麺などに含まれる炭水化物は、アスリートにとって重要なエネルギー源です。
競技に必要な体をつくるためにも、まずは普段の食事で主食が十分に食べられているか確認してみましょう。
例えば、
- ご飯をいつもより少し増やす
- 麺だけの食事には、おにぎりをプラスする
など、いつもの食事に主食を少しプラスするところから始めてみましょう。
③補食を使って食べる回数を増やす
「体を大きくしたいけれど、1食の量をこれ以上増やせない」という人は、補食を活用しましょう。
補食は単なるおやつではなく、3食だけでは足りないエネルギーや栄養素を補うための食事です。
例えば、昼食から夕食までの間に部活があるなら、練習前後におにぎりやパン、乳製品などを取り入れることで、1食を無理に大盛りにしなくても1日全体の食事量を増やしやすくなります。
補食の量や食べるタイミングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:スポーツ選手の補食おすすめガイド|必要性・タイミング・量を管理栄養士が解説
④たんぱく質を毎食取り入れる
痩せ型アスリートが目指したいのは、脂肪だけを増やすことではなく、筋肉を含めた競技に必要な体をつくることです。
肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などに含まれるたんぱく質は、筋肉など体をつくる材料として大切な栄養素です。
例えば、朝食がパンだけなら卵やヨーグルトをプラスするなど、毎食にたんぱく質を含む食品があるか確認してみましょう。
ただし、筋肉をつけたいからといって、たんぱく質だけを増やせばよいわけではありません。
主食もしっかり食べ、トレーニングや体づくりに必要なエネルギーを確保することも大切です。
⑤少量でもエネルギーを摂りやすい食品を活用する
「食べる量を増やしたいけれど、すぐにお腹いっぱいになる」という人は、少ない量でもエネルギーを補いやすい食品を活用してみましょう。
例えば、あんパンやエネルギーバー、エネルギーゼリーなどは、食事だけでは足りないエネルギーを補いたいときの選択肢になります。
また、パンにチーズをプラスしたり、料理にごまや油を取り入れたりするなど、いつもの食事のエネルギー量を少し増やす方法もあります。
脂質は1gあたり約9kcalと、炭水化物やたんぱく質よりも少ない量で多くのエネルギーを摂りやすい栄養素です。
ただし、エネルギーを増やすために揚げ物や脂っこい料理ばかりを食べる必要はありません。
「食事の量を大きく増やす」のではなく、「いつもの食事に少しプラスする」と考えると、一度にたくさん食べられない人でも取り組みやすくなります。
「太りたいから何でも食べる」はNG
食べても太らない人にとって、体重が増えることは体づくりの変化を見るひとつの目安になります。
しかし、「体重さえ増えればいい」と、お菓子や揚げ物、甘い飲み物ばかりを増やすのはおすすめできません。
アスリートが目指したいのは、単に体脂肪を増やして体重計の数字を大きくすることではなく、筋肉や骨などを含めた競技に必要な体づくりです。
そのためには、主食・主菜・副菜を基本に、乳製品や果物、補食などを組み合わせながら、必要なエネルギーと栄養素を確保しましょう。
また、食事量を増やしているのに体重が減り続ける、下痢や腹痛などの症状がある、体調不良が続いている場合は、「太れない体質」と自己判断せず、医療機関に相談することも大切です。
まとめ|食べても太らない人は「食べ方」を見直そう

食べても太らない理由は、体質だけとは限りません。
特に部活やトレーニングをしている中高生は、日常生活だけでなく、成長や運動にも多くのエネルギーを使っています。
痩せ型アスリートが目指したいのは、ただ体重を増やすことではなく、必要なエネルギーと栄養素を摂り、筋肉や骨などを含めた競技に必要な体をつくることです。
3食を基本に主食とたんぱく質をしっかり摂り、足りない分は補食や少量でもエネルギーを摂りやすい食品で補いましょう。
今日からひとつだけやるなら
まずは、「補食を1回追加する」ことから始めてみましょう。
一度に食事量を大きく増やす必要はありません。
昼食から夕食までの間や部活の前後など、食事が空く時間に、おにぎりやパン、乳製品などをプラスしてみてください。
少しずつ食べる量や回数を増やし、競技に必要な体づくりにつなげていきましょう。
参考文献
2023 International Olympic Committee’s (IOC) consensus statement on Relative Energy Deficiency in Sport (REDs)
発行元:British Journal of Sports Medicine / International Olympic Committee
https://bjsm.bmj.com/content/57/17/1073
Youth Athlete Development and Nutrition
発行元:Sports Medicine
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8566439/
Sport nutrition for young athletes
発行元:Canadian Paediatric Society
著者:Laura K Purcell
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3805623/
食品成分データベース「エネルギー」
発行元:文部科学省
https://fooddb.mext.go.jp/nutman/nutman_02.html

執筆者:丸井 遥
管理栄養士、スポーツ栄養プランナー、オンラインフードクリエイター。
病院・介護施設で栄養指導や栄養管理を経験。現在はフリーランスとして、スポーツ栄養教材の制作やダイエット栄養相談、記事執筆などを行っている。
また、栄養や子育てに役立つ情報をnoteでも発信中。
専門的な内容を、わかりやすく実践しやすい形で伝えることを大切にしている。








