運動中に足がつる原因は水分不足?マグネシウムとの関係と予防法を解説

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試合や練習中、突然ふくらはぎがギュッとつって動けなくなった経験はありませんか?

運動中に足がつると、「水分が足りなかった?」「塩分不足?」「マグネシウムが不足している?」と思う人も多いかもしれません。しかし、足がつる原因は特定の栄養素の不足だけではなく、筋肉の疲労や運動強度など、さまざまな要因が関係すると考えられています。

この記事を読めば、運動中に足がつる原因と、予防するためにできること、実際につったときの対処法が分かります!
管理栄養士・スポーツ栄養プランナーが分かりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 運動中に足がつる原因
  • 「こむら返り」とは何か
  • 水分不足や電解質と足のつりの関係
  • 足のつりとマグネシウムの関係
  • 足のつりの予防法と対処法

運動中に足がつる「筋けいれん」とは?

「足がつる」とは、自分の意思とは関係なく筋肉が突然収縮し、痛みを伴う状態です。

運動中や運動直後に起こる筋けいれんは、「運動関連筋けいれん(EAMC:Exercise-Associated Muscle Cramps)」と呼ばれています。

ふくらはぎや太ももなど、運動でよく使う筋肉に起こることがあります。

「こむら返り」と「足がつる」は違う?

「こむら」とは、ふくらはぎのこと。ふくらはぎの筋肉がつった状態を「こむら返り」と呼びます。

一方、スポーツ中の筋けいれんは、太ももや足の裏などにも起こります。

足がつる=ふくらはぎや太もも、足裏などに起こる筋けいれん
こむら返り=ふくらはぎに起こる筋けいれん

と考えると分かりやすいでしょう。

運動中に足がつる原因は「水分不足」だけではない

現在の研究では、運動中の足のつりを水分不足や電解質不足だけで説明することは難しいとされています。
筋肉の疲労や運動強度、発汗など、複数の要因が関係すると考えられています。

運動中に足がつる原因として、筋肉の疲労、運動強度、水分不足、電解質の損失を示した図解

筋肉の疲労や運動強度が関係する

運動中の足のつりで注目されているのが、筋肉の疲労と、筋肉を動かす神経の働きの変化です。

筋肉は、神経からの合図を受けて縮んだり、ゆるんだりしています。

長時間の運動や普段より強度の高い運動などで筋肉の疲れが大きくなると、筋肉を動かす仕組みのバランスが崩れ、足がつることにつながる可能性があると考えられています。
「試合の後半になるといつも足がつる」という人は、水分補給だけでなく、運動強度や疲労にも目を向けてみましょう。

疲労の蓄積や練習のしすぎによる不調について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:頑張りすぎが逆効果?オーバートレーニングの症状・原因・回復・予防を管理栄養士が解説

発汗による水分・電解質の損失も関係する可能性がある

汗をかくと、体から水分だけでなく、ナトリウムなどの「電解質」と呼ばれる成分も失われます。
ただし、「足がつる=水分不足・塩分不足」とは限りません。
水分や電解質の状態だけでなく、筋肉の疲労や運動強度なども含めて考えることが大切です。

水分補給のタイミングや飲み方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:熱中症対策の水分補給とは?運動・部活で役立つ飲み方・タイミング・飲み物を管理栄養士が解説

「足がつる=マグネシウム不足」とは限らない

マグネシウムは、筋肉や神経が正常に働くために必要なミネラルです。
しかし、運動中に足がつる原因をマグネシウム不足だけで説明することはできません。

運動中の足のつりにマグネシウムをとることが有効かどうかは、まだ十分に分かっていません。
「足がつるからマグネシウムだけ」と考えず、疲労や練習量、水分補給なども振り返りましょう。

運動中に足がつるのを防ぐための予防法

「これをすれば絶対に足がつらない」という方法はありません。
ひとつの対策だけに頼らず、自分が足をつりやすい状況に合わせて対策することがポイントです。

運動前から水分補給を始める

水分不足だけが足のつりの原因ではありませんが、スポーツ中の水分補給は大切です。
暑い環境では運動前から水分をとり、運動中もこまめに補給しましょう。

長時間の運動や大量に汗をかく場合は、脱水や熱中症を防ぐため、汗の量に合わせて水分や電解質を補給します。

スポーツドリンクの種類や水分・電解質の補給について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:スポーツドリンクは全部同じじゃない!種類ごとの違いと正しい選び方を徹底解説

疲労をためすぎず、運動強度を調整する

大会直前に急激に練習量を増やしたり、疲労が残った状態で強度の高い練習を続けたりすると、筋肉への負担が大きくなります。
十分な睡眠・休養をとり、急激に練習量や強度を増やさないことを意識しましょう。

睡眠による疲労回復について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 関連記事:寝ることもトレーニング!アスリートの睡眠時間と質を高める食事のポイント

自分が「足をつりやすい状況」を知っておく

足のつりの予防で意外と大切なのが、過去に足がつったときの状況を振り返ることです。

たとえば、

  • 暑い日の試合後半につりやすい
  • 連戦になるとつりやすい
  • いつもより運動強度が高いとつる

など、人によってパターンが違うことがあります。

実際、過去に運動中の筋けいれんを経験していることは、その後の筋けいれんのリスクを考えるうえで重要な情報のひとつです。

「足がつった」で終わらせず、いつ・どんな環境で・どのくらい運動したときにつったのかを覚えておくと、自分に合った対策を考えるヒントになります。

運動中に足がつったときの対処法

どれだけ準備していても、運動中に足がつることはあります。
大切なのは、「早く試合に戻らないと」と焦って無理に動き続けないことです。

運動を中止し、つったふくらはぎをゆっくり伸ばすなど、足がつったときの対処法を示した図解

まずは運動を止めて、つった筋肉をゆっくり伸ばす

運動中に足がつったら、まず運動を中止し、つった筋肉をゆっくり伸ばす「静的ストレッチ」を行います。
ふくらはぎのこむら返りなら、膝を伸ばした状態で足首をゆっくり反らし、ふくらはぎを伸ばします。
痛みを我慢して勢いよく伸ばすのではなく、ゆっくり行いましょう。

全身の状態も確認する

特に暑い環境では、足のつりだけでなく、

  • めまい
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 強いだるさ
  • 意識がおかしい

などがないか確認しましょう。
このような症状がある場合は、単なる足のつりと決めつけず、運動を中止して適切に対応します。

筋けいれんを何度も繰り返す、強い痛みが続く、いつもと違う症状がある場合も、無理に競技へ戻らず医療機関などに相談しましょう。

まとめ|運動中の足のつりは原因を1つに決めつけない

運動中に足がつる原因は、水分不足だけではありません。筋肉の疲労や運動強度、発汗など、さまざまな要因が関係すると考えられています。

予防するためには、適切な水分補給に加えて、疲労をためすぎないことも大切です。
実際に足がつったときは無理に動き続けず、運動を止めて、つった筋肉をゆっくり伸ばしましょう。

ひとつの原因や対策に決めつけず、自分がどんな状況で足をつりやすいのかを知ることが、次の対策につながります。

今日からひとつだけやるなら

練習後に「今日のコンディション」を30秒だけ振り返ってみよう!

「今日は疲れていた?」「いつもより暑かった?」「水分補給はできた?」と、自分の状態を振り返ります。
もし足がつった日は、いつ・どんな状況でつったのかも記録しておきましょう。

続けていくと、自分が足をつりやすいパターンが見えてくるかもしれません。
まずは今日の練習後、30秒。自分の体を振り返ることから始めてみましょう!

参考文献

An Evidence-Based Review of the Pathophysiology, Treatment, and Prevention of Exercise-Associated Muscle Cramps
発行元:Journal of Athletic Training / National Athletic Trainers’ Association
著者:Miller KC, McDermott BP, Yeargin SW, Fiol A, Schwellnus MP
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8775277/

Muscle Cramping During Exercise: Causes, Solutions, and Questions Remaining
発行元:Sports Medicine
著者:Maughan RJ, Shirreffs SM
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6901412/

Magnesium for skeletal muscle cramps
発行元:Cochrane Database of Systematic Reviews
著者:Garrison SR, Korownyk CS, Kolber MR, Allan GM, Musini VM, Sekhon RK, Dugré N
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD009402.pub3/full

執筆者:丸井 遥

管理栄養士、スポーツ栄養プランナー、オンラインフードクリエイター。

病院・介護施設で栄養指導や栄養管理を経験。現在はフリーランスとして、スポーツ栄養教材の制作やダイエット栄養相談、記事執筆などを行っている。

また、栄養や子育てに役立つ情報をnoteでも発信中。
専門的な内容を、わかりやすく実践しやすい形で伝えることを大切にしている。

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