亜鉛は、骨や筋肉の成長、免疫機能の維持に深く関わる「必須ミネラル」のひとつです。スポーツをしているお子さんを持つ保護者の方なら、食事から手軽に補いたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、サプリメントには頼りたくないけれど、具体的にどんな食べ物を選べば良いのか、どうすれば無理なく取り入れられるのかがわからない、という声もよく耳にします。
今回は、成長期の子どもに必要な亜鉛の1日摂取量の目安から、手軽に摂れる食品8選、効率良く吸収するためのポイントまで、わかりやすく解説します。
成長期の子どもに必要な亜鉛の1日摂取量

亜鉛は体内に約2g存在し、数百種類もの酵素の働きを支える重要なミネラルです。成長期の子どもは特に多くの亜鉛を必要とするため、食事でしっかりと補うことが大切です。まずは亜鉛の主な役割と、年齢別の摂取目安量を確認しましょう。
亜鉛の主な働き
亜鉛は、成長期の子どもの身体づくりに幅広く関わっています。
たんぱく質の合成や遺伝子情報の転写に関わり、新しい細胞が作られるのを助け、骨の伸長を支える働きがあります。特に成長期には欠かせない機能です。
また、味を感じる細胞(味蕾)の再生を促して正常な味覚を保つほか、白血球などの免疫細胞を活性化し、ウイルスや細菌への抵抗力を高める役割も担っています。
子どもの年齢別 亜鉛の1日摂取量
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、成長期の子どもの亜鉛推奨量は以下の通りです。
10〜11歳は5.5mg、12〜14歳は男子7.0mg・女子6.5mg、15〜17歳は男子8.5mg・女子6.0mgが1日摂取量とされています。
成長が著しい中学・高校生の時期は必要量が増えます。日頃から亜鉛を多く含む食品を意識して選ぶようにしましょう。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)-(2) 微量ミネラル」
亜鉛を手軽に摂れる食べ物8選

毎日の食事で無理なく亜鉛を補うには、調理の手間が少なく日常的に取り入れやすい食品を知っておくことが大切です。以下では、亜鉛を多く含む食品を8つ紹介します。
納豆
納豆は100gあたり1.9mgの亜鉛を含む、和食の定番食品です。
ご飯のお供として毎日でも取り入れやすく、亜鉛のほかに良質なたんぱく質・ビタミンE・ビタミンKも同時に補える栄養価の高い食品です。
手軽さと栄養バランスの良さから、毎日の食卓に積極的に加えたい食品です。
卵(ゆで卵など)
卵は100gあたり1.1mgの亜鉛を含む「完全栄養食品」として知られています。
ゆで卵にすれば手軽に持ち運べる上、たんぱく質・脂質・ビタミン類をバランス良く摂れるのもポイントです。
朝食やおやつとして取り入れやすく、スポーツをする子どもの栄養補給にも適しています。
チーズ・乳製品
プロセスチーズは100gあたり3.2mgと、乳製品の中では亜鉛含有量が高い食品です。
料理にのせたり、そのままおやつとして食べたりと、取り入れ方の自由度が高いのが魅力です。
粉チーズをパスタやスープにふりかけるだけでも、亜鉛を手軽にプラスできます。
アーモンド
アーモンドは100gあたり3.7mgと、ナッツ類の中でも亜鉛が豊富な食品です。
間食として少量つまむだけで亜鉛を補給できるうえ、ビタミンEや食物繊維も一緒に摂れます。
素焼きタイプを選べば余分な塩分・油分を抑えられるため、健康的なおやつとしても最適です。
牛肉(赤身)
牛肉の赤身(モモ肉)は100gあたり4.1mgの亜鉛を含み、肉類の中でも特に豊富です。
たんぱく質と鉄分も同時に摂れるため、スポーツで身体を動かす子どもの筋肉づくりを総合的にサポートできる食品です。
炒め物や焼き肉など調理のバリエーションが豊富で、食事に取り入れやすい点も魅力です。
鯖缶
鯖の水煮缶は100gあたり1.7mgの亜鉛が含まれており、魚料理を手軽に取り入れたいときの選択肢として優秀です。
缶詰のまま使えるので調理の手間がなく、長期保存もできる実用的な食品です。
DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)などのオメガ3脂肪酸も含まれており、脳や心臓の健康維持にも役立ちます。
豚レバー
豚レバーは100gあたり6.9mgと亜鉛含有量が非常に高く、鉄分やビタミンAも豊富な、栄養密度の高い食材です。
苦手なお子さんには、牛肉の赤身で代用するのが現実的です。
牡蠣
牡蠣は食品の中でもトップクラスの亜鉛含有量を誇り、100gあたり14.0mgにもなります。
少量でも1日摂取量をほぼ満たせる、非常に優れた食品です。
ただし含有量が非常に多いため、食べすぎると過剰摂取につながるおそれがあります。量に注意しながら取り入れましょう。
亜鉛を効率的に摂るポイント

亜鉛は食品から摂るだけでなく、摂り方を工夫することで吸収率を高められます。以下のポイントを押さえておきましょう。
動物性たんぱく質と一緒に摂る
亜鉛は食品によって吸収率が異なり、植物性食品より動物性食品のほうが身体に取り込まれやすいとされています。
肉・魚介類などの動物性たんぱく質と組み合わせて摂ることで、亜鉛の吸収率が高まるといわれています。
納豆に卵を加えたり、豆腐に鶏肉を合わせたりと、植物性と動物性を組み合わせた献立を意識すると良いでしょう。
ビタミンC・クエン酸と一緒に摂る
ビタミンCやクエン酸は亜鉛の吸収を助けるといわれており、一緒に摂ることで効率がアップします。
レモン汁を肉料理にかけたり、梅干しと一緒に食べたりするだけで、手軽に吸収率を高められます。
野菜と組み合わせた食事を心がけることで、亜鉛だけでなく全体的な栄養バランスも整いやすくなります。
吸収阻害物質に注意する
亜鉛の吸収を妨げる成分も存在するため、合わせ方に注意が必要です。
玄米・豆類に含まれるフィチン酸、ほうれん草のシュウ酸、インスタント食品に多いポリリン酸は、亜鉛の吸収を妨げるとされています。
これらを多く摂る際は、動物性食品を一緒に食べることで影響を軽減できます。
サプリメントは用量に気を付ける
食事だけでは不足する場合は、サプリメントで補う方法もあります。
ただし、亜鉛を過剰に摂取すると他のミネラルの吸収を妨げ、吐き気や銅欠乏症などの健康被害につながる可能性があります。
そのため、複数のミネラルがバランス良く配合されている「総合ミネラル」のサプリメントを摂取するか、亜鉛が特に不足している場合は「総合ミネラル」+亜鉛の組み合わせで摂ることがおすすめです。
サプリメントを使う場合は必ず用量を守り、食事からの摂取量と合わせて過剰にならないよう注意しましょう。
まとめ
亜鉛は成長期の子どもの発育・免疫・骨形成に欠かせないミネラルです。納豆・卵・チーズ・アーモンドなど、日常的に手に入る食品でも十分に補うことが可能です。
動物性たんぱく質やビタミンCと組み合わせて吸収率を意識すると、より効果的に体内へ取り込めます。毎日の食事に少しずつ取り入れて、お子さんの健やかな成長をサポートしましょう。
なお、食事だけでは補いきれないと感じる場面や、練習量が多い時期のコンディション管理には、スポーツをする子どものために開発されたサプリメントを活用する方法もあります。
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