
マラソンで記録を伸ばしたいと思い、「走り込み」だけに時間を費やしていませんか?実はマラソンのタイム向上には、適切な筋トレが欠かせません。
長距離を走り抜くためには「スピード持久力」が鍵となり、これを効果的に高めるには筋力トレーニングが不可欠です。
今回は、マラソンランナーに最適な筋トレ4種目と、より効果を出すための12週間プログラム、さらに持久力をサポートする栄養摂取法まで解説します。
マラソンに重要な「スピード持久力」とは
マラソンで好成績を出すために重要なのは、長時間にわたって一定のスピードを維持し続ける「スピード持久力」です。この持久力は大きく2つの要素に分けることができます。
1:筋持久力

筋持久力は、筋肉が疲労に耐えながら動き続ける能力のことです。
長距離を走り抜くには、脚のほか上半身の筋肉も働き続ける必要があります。
筋持久力を高めるためには、下半身を重視した筋力トレーニングが欠かせません。
2:心肺持久力

心肺持久力は酸素を全身に送り続ける能力で、エンジンに例えるなら燃料供給システムの性能といえるでしょう。
その向上には、ジョギングやランニングなどの有酸素運動が効果的です。すでに多くのランナーが実践していることでしょう。
筋トレによって筋力が向上すると、耐久性が同時に高まります。マラソンで記録を伸ばしたい、最後まで失速せずに走り切りたいと考えるなら、走る練習だけでなく筋トレも取り入れていきましょう。
マラソンで高パフォーマンスを出すための筋トレ4選
ランナーは筋肉を必要以上に太くしてしまうと、走るスピードに悪影響を与える可能性があります。
「太くて重い筋肉」ではなく「軽量で持久力のある筋肉」を目指して、筋トレの負荷を調整する必要があります。具体的には、負荷を軽くして回数を多く行うことがポイントです。
以下では、おすすめの4つのトレーニングを紹介します。
スプリットスクワット

スプリットスクワットは、
大腿四頭筋やハムストリングスなど、マラソンに重要な下半身の大きな筋肉をバランス良く鍛えられるエクササイズです。
【手順】
①両足を前後に開き、後ろ足の踵を少し上げまる。
前足のつま先と膝が同じ方向を向くようにセット
②前足の膝を曲げて体をまっすぐ下ろす。
上半身がぶれないよう姿勢を保つ
③前足の太ももが床と平行になる位置まで下げる。
前足の膝がつま先より前に出ないよう注意
④元の姿勢に戻る。
スタンディングカーフレイズ

スタンディングカーフレイズは
マラソン中に疲労しやすいふくらはぎを強化するトレーニングです。特に上り坂でのパフォーマンス向上につながります。
【手順】
①腰幅程度に足を平行に広げて立つ。
つま先は正面、手を腰にあて体の軸をまっすぐに保つ
②そのまま踵を上げてつま先立ち。
膝を曲げず、ふくらはぎをしっかり伸ばす
③最高点で1秒キープ、ゆっくりと元に戻す。
ニートゥエルボー

ニュートゥエルボーは、
体幹の安定性を高め、ランニング中のフォーム維持に役立つトレーニングです。腹斜筋や腹横筋など、インナーマッスルをしっかり刺激できます。
【手順】
①足を腰幅程度に開き、まっすぐ立つ。
背筋を伸ばし、身体の軸がブレないように
②左膝と右肘をおへその前でタッチ。
左右交互に続けていく
フロント・ブリッジ

フロント・ブリッジは
体幹を中心に全身の筋肉を効率良く鍛えられるトレーニングです。特に腹筋群や背筋群の持久力向上に効果的で、マラソン後半のフォーム崩れを防ぎます。
【手順】
①うつ伏せで両肘を肩幅、足は揃えてつま先を立ち。
②両肘と両足のつま先を支点に身体を持ち上げる。
肩から足までが一直線に。お尻が上がりすぎたり下がりすぎたりしないよう。
③この姿勢をキープ。
呼吸を止めずに一定のリズムで深い呼吸を続けながら
筋トレを含めたマラソン練習のポイント・注意点
マラソンのパフォーマンス向上には、ランニングだけでなく筋トレや栄養管理も重要です。ここでは、マラソンレースに向けた効果的な練習法とコンディショニングのポイントを解説します。
マラソンまでのスケジュールに合わせて内容を変える
マラソン大会の12週間前からは、段階的にトレーニング内容を変化させることでベストコンディションに仕上げることができます。以下は、フルマラソン初心者向けの12週間スケジュールの例です。距離や自身の能力に応じて調整しましょう。
第1週~第4週:基礎作り期
・週3回のトレーニング
・軽いジョギング(3-5km)からスタート
・徐々に距離を伸ばし(5-7km)、長い距離(8-10km)へ移行
・筋トレ、体幹トレーニング、ストレッチ
第5週~第8週:持久力向上期
・週4回のトレーニング
・ジョギング(5-7km)、ペース走(7-10km)、ロングラン(12-18km)
・インターバルトレーニング(400m×4-5本)
・筋トレ、ストレッチ
第9週~第10週:ピーク期
・週4-5回のトレーニング
・ジョギング(6-8km)、ペース走(10-12km)、ロングラン(20-32km)
・インターバルトレーニング(400m×5-6本)
・筋トレ、ストレッチ
第11週:テーパリング期
・週3回の軽めの走行でリフレッシュ
・ジョギング(5-7km)、ペース走(8-10km)、ロングラン(15-18km)
・クロストレーニング週1回
・筋トレ、ストレッチ
第12週:調整期
・週2回の軽い走行(ジョギング4-5km、軽いペース走)
・筋トレ、体幹トレーニング、ストレッチ
持久力をサポートする栄養
持久力アップに役立つアミノ酸を摂取する
最強アミノ酸「EAA」

タンパク質を分解すると20種類のアミノ酸(EAA-必須9種類、NEAA-非必須11種類)になります。
プロテインとの違いは、消化が必要なく、時間と消化エネルギーが節約できる点と、吸収スピードが早いことです。
アミノ酸は、持久系エネルギーとして重要な栄養素です。EAAは筋肉で直接エネルギーとして利用されるため、糖質や脂質が不足しても運動継続を助けてくれます。糖質や脂質が体内で蓄えられる際に、大量の水分を抱え込むため、体重増加が懸念されます。
EAAのメリット

EAAは消化が不要なため吸収が早く、余分な水分で体重が増えないため、身体への負担を抑えながら効率良くエネルギー補給をすることが可能です。
体脂肪の少ないランナーは、脂質エネルギーが尽きやすいため、筋肉を分解させないように注意しなければなりません。EAAはエネルギー源として筋肉が破壊されるのを防ぐのにも役立ち、結果的に長時間の運動を続けやすくなります。
関連記事「トレーニング後のプロテインはNG!EAA・BCAAとの違いは?」
おすすめのEAA
EAAを効果的に摂るなら、MUGEN EAAレギュラーがおすすめです。疲労回復に役立つ栄養素も含まれており、持久系スポーツや筋力アップに最適です。
代謝アップに役立つミネラル・ビタミンを補給する
効率的な代謝がカギ

持久力を高める上で重要なのが代謝です。
代謝とは体内で物質が変化していく連続的な化学反応のことで、これが活発になるとエネルギー生成が高まり、乳酸の再エネ化がスムーズになります。
ミネラルやビタミンは、代謝をサポートする補酵素です。ランナーはそれらを大量消費するので、小まめな摂取が重要です。また汗によるミネラルの流出は、脱水症状の原因です。
水分が体重の1%減少すると、パフォーマンスが10%低下するとされています。トレーニング中には適切な水分・電解質を補給し、体力を維持しましょう。
アクティブ系ミネラル補水
ミネラルを効率的に補給したい方は、21種類のミネラルと乳酸菌を配合している経口補水パウダー「Gazelle」をお試しください。足の筋ケイレン対策としてもご活用ください。
ケガをしにくい身体づくり
可動部位の疲労回復

マラソンは、可動部位に微細な損傷をつけ、その蓄積が部位疲労となり、関節痛などの慢性的なケガにつながります。
運動前や運動後、就寝前に筋や関節の柔軟性・可動性を高めるケアを行いましょう。ストレッチなどによるボディケアに加えて、内側からのサポートも重要です。
線維プロテインでコンディションUP

線維プロテイン(コラーゲンやエラスチン)は、腱や靭帯、筋膜の構成成分です。
コラーゲンは可動部位の強度と柔軟性を保ち、エラスチンは弾力性の成分で、修復促進もサポートします。
マラソン練習による身体への負担に対する耐性を高め、ケガのリスクを軽減するなら、これらの栄養素を意識的に摂取しましょう。
食べるストレッチ
エラスチンやコラーゲンに着目したスポコラは、4つの線維たんぱく質(靭帯・腱・筋膜・軟骨・骨成分)を詰め込んだ、肉離れなどのケガ対策や疲労回復に役立ちます。運動を長く、健康に続けたい方はぜひ一度チェックしてみてください。
まとめ
マラソンで記録を伸ばすには、「スピード持久力」が鍵です。筋トレを通じて下半身と体幹を鍛えることで、レース終盤でもフォームを維持し、ペースを落とさずに走り切る力が身につきます。
今回ご紹介した4つの筋トレや計画的なトレーニングスケジュール、適切な栄養補給をぜひ日々の運動習慣に取り入れてみてください。