ケガの予防と早期回復

エラスチンの驚くべき効果!アスリートの柔軟性を高め、靭帯のケガ予防に不可欠な理由

エラスチンは、皮膚や血管、靭帯や肺に多く存在する線維タンパク質で、伸縮性や弾力性を担当しています。そのエラスチン効果とケガが早期回復するエビデンスをまとめています。

  • 靭帯損傷の予防と修復促進
  • 靭帯の弾力性などの機能性アップ
  • 皮膚の弾力性と美容効果
  • 血管の弾力性による血圧の改善
  • 創傷治癒と再生医療への応用
  • バストアップ効果
靭帯の特徴はゴムひも

エラスチンは、ゴムひものように伸び縮みする弾性線維(線維状たんぱく質の一種)で、弾力性引張強度を作りだします。

肌のハリ、血管年齢といわれる動脈の弾力性、靭帯の機能をサポートしています。

靭帯の機能性

靭帯は骨と骨をつなぐスジで、関節のスムーズな動きを支えます。特徴はゴムひものような弾力性があり、関節を元の戻す引張力が重要な仕事です。

靭帯はⅠ型コラーゲンによる強靭性とエラスチンによる弾力性で構成され、それらの質と量が靭帯の機能性を決定します。

靭帯は加齢や疲労の蓄積で、断裂しやすくなります。加齢ではエラスチン代謝のサイクルが長くなることで強度や機能性が低下します。疲労の蓄積は、運動による微傷が修復しきれないことで蓄積し、破断負荷を低下させます。

損傷靭帯の回復効果

エラスチンを含むサプリメントを摂取することで、損傷靭帯の力学強度の向上が確認されました。靭帯の修復促進、関節の安定化が期待できます。以下のグラフは、損傷靭帯家兎にエラスチンを6週間摂取させ(125mg/kg/D)、靭帯の修復度と安定度を測定しました。

引張力を高める

引張強度は、引っ張って耐えられる最大負荷で、正常値を100としてエラスチンの摂取の有無での回復率を比較しました。

その結果、エラスチンの摂取群は、非摂取よりも引張度が高まっています。

肥大化を抑える

断裂部分は太くなり、弾力性が低下します。そのため負荷が分散されず、太くなった周辺が断裂しやすくなります。

しかしエラスチンを摂取することで、過剰に太くなるのを抑え、機能性を正常に近づけます。

伸びやすさを抑える

古いゴムひものように、靭帯が伸び切ってしまうのを抑えて、正常値に近づけます。

靭帯の最大変形量が高いと、関節の不安定、軟骨への負荷、脱臼や亜脱臼の恐れがあります。

回復力が増加

発現とは遺伝子からタンパク質やRNAが作られることをいい、発現が多いほど修復力の高さを示します。エラスチンを摂取したことで、エラスチンのほかⅠ型コラーゲンの合成が促進されたのです。

【参考文献】膝靭帯組織の再生時におけるエラスチンの作用に関する研究:LIFE2016, 東北大学,2016.9.4~6、カツオ由来エラスチンペプチド経口摂取による皮膚・血流・血管への効果:食品加工技術・最近の研究から 林兼産業開発部開発課. Eri Shiratsuchi. 2019.09、Attia E, et al, Patterns of gene expression in a rabbit partial anterior cruciate ligament transection model: The potential role of mechanical force. Am J Sports Med. 38:348, 2010、N. Mizutani, et al, The behavior of ligament cells cultured on elastin and collagen scaffolds. J Artif Organs. 17:50-59, 2014、Pocza P, et al, Locally generated VGVAPG and VAPG elastin-derived peptide amplify melanoma invasion via the galectin-3 receptor. Int J Cancer. 122:1972-1980, 2008

その弾力性を担っているのがエラスチンです。動脈中層の50%がエラスチンとされ、その弾力性がポンプとなり、脳や体の末端細胞まで血液を送り届けます。

弾力性=脳と体の年齢」といえ、運動機能、特に心拍数に影響します。

エラスチンで血管の老化を改善

エラスチンを毎日摂取することで、血管の弾力性や伸張性、血管年齢を改善することができます。

【検査方法】被験者25名(平均年齢45.8±10.8歳、男18名・女7名)を対象にして、エラスチン配合のサプリメントを摂取させ、血管への影響を評価した。エラスチンは1日75mg、摂取期間は16週間とし、加速度脈波測定により、血管の弾力性・進展性・血管年齢を測定した。

【参考文献】カツオ由来エラスチンペプチド経口摂取による皮膚・血流・血管への効果:食品加工技術・最近の研究から 林兼産業開発部開発課. Eri Shiratsuchi. 2019.09、エラスチンペプチド摂取後のヒト血液からの食事由来ペプチド検出:東京家政大学栄養学科食品機能学研究所 重村泰毅講師, BIO INDUSTRY 特集エラスチンの機能性から、血管をしなやかに保つ弾性線維エラスチン:香川靖雄女子栄養大学副学長・自治医科大学名誉教授ほか

肌は表皮・真皮・皮下組織の3層で構成されています。エラスチンは真皮層でコラーゲン線維と共存し、コラーゲン線維やハリを支えています。

コラーゲン70%に対して、エラスチン2~4%と微量ですが、弾性線維として肌に弾力やハリを与える重要な成分です。

肉離れリスクを高める筋膜乾燥とは?その予防と対策

筋膜乾燥が筋肉損傷の隠れた原因に

はじめに

筋膜(ファシア)は、筋肉を包み、体全体の動きや姿勢のバランスを保つ重要な結合組織です。最近の研究では、筋膜の「乾燥(ドライネス)」が筋肉損傷、特に肉離れや慢性的な筋肉痛のリスクを高めることが示唆されています。この記事では、筋膜乾燥と筋肉損傷の関係について、最新のエビデンスをもとに詳しく解説し、予防策やセルフケア方法も紹介します。

筋膜乾燥とは、筋膜層内の潤滑性が低下し、滑走性が損なわれた状態を指します。健康な筋膜にはヒアルロン酸を含む水分層が存在し、筋肉と筋膜、または筋膜同士がスムーズに動くための潤滑剤のような役割を果たしています。

原因:

  • 筋膜線維の劣化や老化
  • 筋膜線維の代謝の低下
  • 水分摂取不足
  • 長時間の同一姿勢
  • 運動不足や過剰な筋緊張
  • 加齢や慢性的ストレス

1. 滑走性の低下と摩擦ストレス

乾燥した筋膜は滑走性が低下し、筋肉と筋膜の間に過剰な摩擦が生まれます。これが微細な損傷の積み重ねとなり、肉離れや炎症を引き起こす要因となります。

2. トリガーポイントの形成

筋膜が硬く乾燥すると、筋肉にトリガーポイント(筋硬結)が形成されやすくなり、これが筋肉損傷や痛みの引き金となります。

3. 血流の低下と回復遅延

乾燥・硬化した筋膜は血行を妨げ、酸素や栄養の供給不足を引き起こします。これにより筋肉の回復が遅れ、損傷リスクが増大します。

Dr. Robert Schleip(シュライプ博士)の研究

筋膜研究の第一人者であるシュライプ博士は、筋膜の滑走性が低下すると筋肉間の協調運動が損なわれ、運動中の損傷リスクが増加すると述べています。

Schleip R. et al. (2012). “Fascial plasticity – A new neurobiological explanation: Part 1.” Journal of Bodywork and Movement Therapies.

Carla Stecco博士の組織解剖学研究

ヒアルロン酸の粘性が高くなる(乾燥状態)ことで、筋膜の滑走性が著しく低下することを示した研究もあります。

Stecco C. et al. (2011). “The fascial system and its role in the pathology of myofascial pain syndrome.” Current Pain and Headache Reports.

1. 筋膜の代謝を促進する成分摂取

筋膜を構成し代謝を高めるⅠ型コラーゲン、Ⅲ型コラーゲン、エラスチンを継続摂取することで、筋膜の保水率が高まることが分っています。1日3g~10gが摂取の目安です。

2. こまめな水分の補給

1日あたり体重(kg)×30〜40mlの水分摂取を目安にすることが推奨されます。体重50gの場合、1.5~2.0 リットルが最低限の目安です。

3. 運動とストレッチ

ダイナミックストレッチやウォーキングなど、筋膜の滑走性を高める動的な運動が有効です。

4. フォームローラーや筋膜リリース

筋膜の癒着や乾燥を解消するセルフケアとして、フォームローラーを用いた筋膜リリースは非常に効果的です。

5. 栄養面のサポート

コラーゲン、ヒアルロン酸、ビタミンCなど、筋膜や結合組織の保水力・柔軟性を高める栄養素を積極的に摂りましょう。

筋膜乾燥は筋肉損傷と密接に関係しており、特に肉離れや慢性的な痛みのリスクを高める要因となります。科学的なエビデンスもその関係性を支持しており、予防のためには日常的な水分摂取、適切な運動、筋膜ケアが不可欠です。

筋膜を「潤す」意識を持つことが、アクティブな身体を守る第一歩になります。


キーワード最適化

  • 主軸キーワード:「筋膜乾燥」「筋肉損傷」
  • サブキーワード:「肉離れ」「滑走性」「トリガーポイント」「フォームローラー」「ヒアルロン酸」

メタディスクリプション提案

筋膜乾燥は筋肉損傷の隠れた原因?エビデンスを交えて、肉離れや慢性痛を防ぐ方法とセルフケアのポイントを詳しく解説します。

パフォーマンスを上げる食事改善5つのステップ

パフォーマンスを上げる食事5つのステップ

仕事やスポーツでのパフォーマンスを最大化するためには、「食事の質」がカギを握ります。この記事では、科学的エビデンスに基づいた「パフォーマンスを上げる食事改善の5つのステップ」をご紹介します。毎日の食事を少し見直すだけで、集中力・持久力・回復力が劇的に変わります。


朝食を必ず摂る【集中力と代謝アップ】

朝食を抜くと、血糖値が安定せず集中力や判断力が低下します。

  • 脳の主なエネルギー源であるブドウ糖が不足する
  • 朝食を摂ることで代謝が活性化される(TEF:食事誘発性熱産生)

「朝食の摂取は認知機能と注意力の改善に寄与する」と報告(Mahoney et al., Physiology & Behavior, 2005)


タンパク質を毎食摂取する【筋力・免疫力を支える】

タンパク質は筋肉修復や免疫機能に関与し、長時間の活動を支える重要な栄養素です。

  • 毎食20〜30gのタンパク質摂取が理想(厚生労働省推奨:成人で体重1kgあたり1.0g〜1.5g)
  • 動物性+植物性をバランスよく摂る

「持続的なタンパク質摂取は筋肉の合成を促進し、体力維持に有効」(Moore et al., Journal of Nutrition, 2015)


低GI食品を選ぶ【持続的なエネルギー供給】

血糖値の急上昇を防ぎ、長時間安定したエネルギーを保てます。

  • 白米→玄米、白パン→全粒粉パンなどに置き換える
  • 食後の眠気を防ぎ、集中力を持続

「低GI食品は血糖コントロールと集中力維持に効果的」(Ludwig et al., JAMA, 1999)


水分をこまめに摂る【脳と身体のパフォーマンス維持】

わずか2%の脱水でもパフォーマンスは大きく低下します。

  • 1日1.5〜2Lの水を目安に
  • カフェインやアルコールは利尿作用に注意

「軽度の脱水でも集中力・記憶力・気分に悪影響」(Armstrong et al., Journal of Nutrition, 2012)


マグネシウム・鉄・ビタミンB群を意識【エネルギー代謝を最適化】

ビタミンやミネラルは“エネルギーの潤滑油”。現代人は不足しがちです。

  • マグネシウム:ナッツ・大豆・海藻
  • 鉄分:赤身肉・レバー・ひじき
  • ビタミンB群:豚肉・卵・緑黄色野菜

「ビタミンB群の欠乏は疲労・注意力低下に関連」(Kennedy, Nutrients, 2016)


まとめ:今すぐ実践できる「食事改善」の5つの習慣

ステップ改善ポイント効果
1. 朝食を摂る代謝・集中力の安定午前のパフォーマンス向上
2. 毎食タンパク質筋肉・免疫力維持体力・持久力アップ
3. 低GI食品血糖安定集中力・持続力向上
4. 水分補給脱水予防脳・体力の維持
5. 微量栄養素エネルギー代謝補助疲労軽減・全体力UP

よくある質問(FAQ)

Q. サプリメントで補ってもOKですか?
A. 食事から摂るのが基本ですが、不足する場合は医師・管理栄養士と相談の上サプリでの補完も選択肢です。

Q. 忙しくて朝食が食べられません
A. バナナ+プロテインシェイクや、完全栄養スープなどの簡易食でもOKです。


【この記事を書いた人】

予防医学指導師/代替医療アドバイザー 菅田貴司
管理栄養士/パフォーマンス栄養アドバイザー
専門:スポーツ栄養・職場の健康経営支援
執筆・監修実績多数