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エラスチンの効果 ~皮膚・血管・靭帯~

全身の靭帯

エラスチンは、皮膚や血管、肺などに存在する線維タンパク質で、伸縮性や弾力性の維持を担当しています。そのエラスチンの有用性とそれに関する科学的エビデンスをまとめます。

  • 皮膚の弾力性と美容効果
  • 血管の弾力性による血圧の改善
  • 靭帯の修復と伸縮性
  • 創傷治癒と再生医療への応用
  • バストアップ作用

真皮中のエラスチンは、常に伸縮と弛緩を繰り返すことで、弾力とハリを保っています。
しかし加齢にともないエラスチンが減少して伸縮性を失うと、たるみやしわが増えてきます。また紫外線による老化皮膚は、エラスチンの変性や沈着が起こします。

動脈は外膜・中膜・内膜の3層構造で、心臓から拍出される血圧を受けとめるため、ゴムチューブの様な弾力性と伸縮性があります。それがエラスチン機能で、中膜の50%を占めます。

エラスチンの合成量が減ると、動脈が硬くなり血圧や脈拍に影響を与えます。

血管老化を改善するエラスチン摂取

エラスチンを毎日摂取することで、血管の弾力性や進展性が向上し、血管年齢が改善することが分っています。

【検査方法】被験者25名(平均年齢45.8±10.8歳、男18名・女7名)を対象にして、エラスチン配合のサプリメントを摂取させ、血管への影響を評価した。エラスチンは1日75mg、摂取期間は16週間とし、加速度脈波測定により、血管の弾力性・進展性・血管年齢を測定した。

【参考文献】カツオ由来エラスチンペプチド経口摂取による皮膚・血流・血管への効果:食品加工技術・最近の研究から 林兼産業開発部開発課. Eri Shiratsuchi. 2019.09、エラスチンペプチド摂取後のヒト血液からの食事由来ペプチド検出:東京家政大学栄養学科食品機能学研究所 重村泰毅講師, BIO INDUSTRY 特集エラスチンの機能性から、血管をしなやかに保つ弾性線維エラスチン:香川靖雄女子栄養大学副学長・自治医科大学名誉教授ほか

靭帯とエラスチンの関係

靭帯は骨と骨をつなぐ関節の主要部位です。関節の安定や可動域を制限する働きがあり、伸縮性や引耐性が求められます。靭帯は主にエラスチン、Ⅰ型コラーゲン、Ⅲ型コラーゲンから靭帯細胞を構成します。

加齢で靭帯機能が低下すると、関節が不安定になり、膝の痛みや可動に影響を与え、変形性膝関節症(OA)の原因になります。スポーツの場合は、運動機能の低下や関節障害につながることが分っています。

十字靭帯の最大負荷の減少

靭帯が断裂する負荷は、加齢で減少します。切れやすくなる理由は加齢以外にも、酷使・疲労回復の遅れや疲労蓄積があります。

その原因は、加齢はエラスチン代謝サイクルの長期化、疲労蓄積は微傷の修復の遅れです。

靭帯損傷の修復作用

エラスチンを含むサプリメントによって、損傷靭帯の力学強度の向上が確認されました。これにより靭帯の修復、関節の安定化が期待できます。損傷靭帯家兎にエラスチンを6週間摂取させ(125mg/kg/D)、靭帯の修復度と安定度を測定した。

エラスチンによる靭帯損傷の修復時の引張強度

靭帯の機能性である弾力性や引張強度は、損傷の修復時に低下する。

しかしエラスチンを摂取することで、引張強度の回復が早まった。グラフは100(正常値)に近い方がベター。

エラスチンによる靭帯損傷の修復にともなう断面積の変化

靭帯の断裂部は太くなり、弾力性や引張力が低下する。そのため正常部分に負荷が集中し、再断裂を誘発する。

しかしエラスチンを摂取することで、過剰に太くなるのを抑え、機能性を正常に近づけることができる。

エラスチン摂取による靭帯損傷の修復時の最大変形量の変化

損傷靭帯は、伸びやすく引張強度が低下する。伸び切ったゴムのように、弾力性を失ってしまう。

しかしエラスチンを摂取することで、弾力性や引張強度が高まる。グラフは100(正常値)に近い方がベター。

MCL(膝内側側副靭帯)断裂において、エラスチンを摂取することで、Ⅰ型コラーゲンとエラスチンの遺伝子発現が増加した。

発現とは遺伝子からタンパク質やRNAが作られることをいい、発現が多いことが修復の促進を示す。

【参考文献】膝靭帯組織の再生時におけるエラスチンの作用に関する研究:LIFE2016, 東北大学,2016.9.4~6、カツオ由来エラスチンペプチド経口摂取による皮膚・血流・血管への効果:食品加工技術・最近の研究から 林兼産業開発部開発課. Eri Shiratsuchi. 2019.09、Attia E, et al, Patterns of gene expression in a rabbit partial anterior cruciate ligament transection model: The potential role of mechanical force. Am J Sports Med. 38:348, 2010、N. Mizutani, et al, The behavior of ligament cells cultured on elastin and collagen scaffolds. J Artif Organs. 17:50-59, 2014、Pocza P, et al, Locally generated VGVAPG and VAPG elastin-derived peptide amplify melanoma invasion via the galectin-3 receptor. Int J Cancer. 122:1972-1980, 2008

膝関節痛の軽減作用

エラスチンを摂取することで、膝痛の軽減作用が確認されました。またグルコサミンを併用することでの作用も確認できました。

膝関節痛の自覚症状がある45~75歳の日本人男女21名に対して、エラスチン、エラスチン+グルコサミン摂取による影響を検査した。

1日エラスチン75mg、グルコサミン1,000mgを12週間摂取させ、体感による膝痛軽減作用を評価した。

【参考文献】膝靭帯組織の再生時におけるエラスチンの作用に関する研究:LIFE2016, 東北大学,2016.9.4~6、カツオ由来エラスチンペプチド経口摂取による皮膚・血流・血管への効果:食品加工技術・最近の研究から 林兼産業開発部開発課. Eri Shiratsuchi. 2019.09、

その他の作用として、創傷治癒の促進作用、バストアップ作用が認められています。ここでは割愛させていただきます。